大掃除の時期。子ども部屋の片付け、どうしてますか? なかなか片付けられない子どもにイライラしてしまう人も多いのでは。多数の教育機関と連携しながら子どもの未来のサポートと研究を行っている「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」によると、片付けや掃除が苦手な子どもが片付け習慣を身につける「コツ」があるそう。詳しく教えてもらいました。

※ この記事は『自立した子どもになるための やらない子育て』(扶桑社刊)より一部を抜粋し、再編集しています。

散らかった子ども部屋
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親と子の「片付けの妥協点」を探る

床には出しっぱなしのオモチャ、机には散乱したプリント。片付けの習慣を身につけるために幼少期から口酸っぱく伝えているのに、なかなか身につかずイライラ…。見かねた親が仕方なく掃除をするものの、家事が増えてよりイライラ…というのは、子育て“あるある”だと思います。

子ども向けの片付けメソッドが多々ありますが、あまりうまくいっていないという人も多いようです。

親に言われて片付けたら「すっきりした」と気づき、すんなりと習慣化する子どももいるでしょう。

しかし、子どもによって、ものごとの「気になる・気にならない」には差があります。

多少ごちゃついていても不快に感じない子どもは、そもそも「また明日使うし、なんで片付けなくちゃいけないの?」と思っているもので、片付けが身につかないのも当然です。

また、親にはゴミに見える紙くずも、子どもにとっては大切な宝物であるかもしれません。

とはいえ、親としては散らかっているとストレスを感じます。また、単純に不潔な状態は健康を害す恐れがありますし、将来ひとり暮らしをしたときに家が“ゴミ屋敷”になってしまっても困ります。

そこで、お子さんの年齢や個性に応じて、まずは親と子どもの妥協点を探ってみましょう。

親の考える“片付け完了”を子どもに押しつけるのではなく、子どもができる範囲で、かつ親も「まあよし」と思える片付けレベルを設定するのです。そして、そのレベルだけは徹底するようにします。

●「わが家の片付けルール」を設定

箱に片付ける子どもたち
※画像はイメージです(画像素材:PIXTA)

たとえば、インテリアになじむ大きな箱を1つ用意し、そこに入れたら“片付け完了”とする(あふれたら中身を処分する約束)。もしくは、自分の机の上に置けばOK、床に置いたものは捨ててもいいという約束にする。さらに、食料品は異臭を発するので必ず片付けるなど、家庭内での最低限のルールを決めます。

すると、自分の快・不快とは別に、掃除が苦手な子どもでも「うちのルールはこうなんだ」と、とりあえず言われたら片付けられるようになるはずです。