今現在50~60代の世代の人にとっては、嫁入り道具のひとつとして当たり前だった「婚礼タンス」。現在はこの存在が悩みの種というかたも多いのではないでしょうか? 「30代で早々に婚礼タンスを手放し、家も気持ちもすっきりした」と話すのは、「60代からの暮らし、片付け、日々のこと」というブログが人気の整理収納アドバイザー・新田由香さん。今回は新田さんが婚礼タンスを手放した経緯を聞いてみました。
すべての画像を見る(全5枚)憧れで買った「婚礼タンス」が部屋を圧迫
私たち世代(50~60代)は結婚するときに、婚礼タンスを購入する(または親に買ってもらう)のが当たり前のような時代でした。
私が新婚生活を始めたのは昭和61年、2Kのアパートでした。そこに運び込まれた婚礼タンスは、6畳の部屋の3分の1ほどをしめ、押し入れはひとつ使用不可能に。
私の場合は親に買ってもらったのではなく、新婚生活への憧れを抱き「これは必要なものだ」との思い込みで、自分で購入したものでした。しかし、当時はサイズなどもなにも確認していなかったので、部屋とのアンバランスさとその大きな大きな圧迫感に「後悔」しかなかったんです。
4回目の引っ越しでようやく手放すことに
その後、大きな婚礼タンスをもっての引っ越しを3回経験しましたが、どの家に入れても圧迫感はなくなりませんでした。団地住まいのときには「婚礼タンスだけの部屋(4.5畳)」をつくりましたが、数分いるだけでも息がつまりそうなくらいの重く狭い空間に…。
手放すことになったのは、4回目の引っ越しのとき。「次の家にはクローゼットがあるし、婚礼タンスは必要ないかも」と悩んでいたところ、友人に「譲ってほしい」と言われ、引越しの途中で友人宅に婚礼タンスをおろしてもらいました。
いつも置き場所に困っていた、圧迫感のある婚礼タンスがなくなったことで、どれほど心が軽くなったか。
手放して20年、後悔はまったくない
手放してから20数年経ちましたが、後悔はまったくありません。
今は、イケアの収納とDIYで作成した棚を組み合わせたクローゼットを使用しています。部屋着以外の洋服は、夫婦2人でここにあるだけ。大きな婚礼タンスは場所を取るだけで、不要だったと改めて認識することができました。


