50代に入り、老後はどのような暮らしになるのか、心配する人も少なくないのではないでしょうか。今回は、YouTubeでも人気の社労士「社労士みなみ」さんが、3つのポイントに分けて、老後を安心して過ごすための準備について教えてくれました。
※ この記事は『50代からのお金の新常識 知っている人だけが得をする人生逆転プラン』(かや書房刊)より一部を抜粋し、再編集しています。
すべての画像を見る(全4枚)孤独や寂しさだけではない「ひとり老後」の注意点
いざ老後が始まってみると、「まさか自分がこんな壁にぶつかるなんて」と戸惑うことがあります。その前に現実を知って備えておきたいことがあります。それは、ひとり暮らしの老後です。
令和2年の国勢調査によると、65歳以上でひとり暮らしをしている高齢者は約671万人です。これは高齢者全体のおよそ5人に1人にあたり、今後も増え続けると予測されています。つまり、「配偶者がいるから」「子どもがいるから」と思っていても、いずれはひとりになる可能性はだれにでもあるということです。
配偶者との死別、離婚、子どもとの疎遠、未婚など、理由はさまざまですが、「自分だけは大丈夫」という思い込みこそが、備えを遅らせてしまういちばんの原因なのです。
ひとり老後で直面するのは、孤独や寂しさだけではありません。もっと深刻なのは、「いざというときに頼れる人がいない」ことで、生活のあらゆる場面に支障が出てくることです。
●ひとり老後が直面する「まさかの壁」
まずひとつに、医療の現場です。高齢になって入院が必要になったとき、身元引受人がいないせいで、医療処置が遅れるといったケースもあります。
回復後にも「まさかの壁」があります。「退院しても行き先がない・家賃滞納で家を失ってしまった・介護施設に入りたくても保証人がいないから入居できない」など、そうした問題が、回復後の再スタートを困難にします。
さらに、手続きの複雑さもひとり老後の大きな壁です。介護サービスを受けるには申請が必要ですが、「制度の存在を知らない」「手続きをひとりでできない」ことで、必要な支援にたどり着けない人もいます。
そして最後の壁が、亡くなった後の問題です。家族がいないと、終末期の治療の意思決定をだれもできず、そのあとは、遺品や不動産はそのまま放置され、あき家問題政負担にも繋がっていきます。
こうした「まさかの壁」が、老後のあちこちに潜んでいるのです。
困難は、たしかに重くのしかかります。でも安心してください。それらは今から備えれば、回避することができます。そのカギとなるのは、「お金」「制度」「支え合い」の3つの備えです。

