おしゃれと言えば、フランスを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。フランス文化研究者・翻訳家のペレ信子さんによると、「フランス人でもおしゃれに迷う時期がある」そう。そこで、フランス人はどうやっておしゃれをマスターしていくのか、ペレさんにお聞きしました。日本とフランスのファッション誌の違いについても語ります。

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あなたのおしゃれの師匠はだれですか?
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ファッション誌を見るとその国の常識がわかる

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日本のファッション誌とフランスのファッション誌を読み比べると日本と違って驚くことがあります。

違いの筆頭に挙げられるのが、「読者の対象年齢の設定」。

日本のファッション誌はほぼターゲット読者の年齢が決まっています。細かく、ティーン、20代、30代、40代、50代、60代、それ以上、という感じ。特集のタイトルが「40代なら抑えておきたいきちんと感のある服」「30代になったら〇〇」というように年代を意識した記事が書かれています。

ある雑誌をずっと購読していても、「そろそろこの雑誌を卒業して、もう1つ上のお姉さん雑誌を読まなきゃ」という気持ちになります。

ところがフランスの雑誌の多くは、たとえば有名な「ELLE」もそうですが、どこにも年齢で絞った話や特集は出てきません。どちらかと言えば、好むスタイルや社会的なカテゴリーごとに雑誌が存在しているという感じです。

そういう訳でおばあちゃんが孫娘と同じファッション誌を読んでいるということがあり得ます。

フランス人でもファッションに迷うこともある

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フランス人は、流行に惑わされずに自分をもっている、というイメージが一般的に浸透していると思います。ですが、フランスの中学、高校にいる子どもたちを見ていて気づいたことがあります。それはフランス人でも思春期には正解がわからなくなり、迷走しているということです。

この時期の子どもたちは、自分探しを始めたばかりだからでしょうか。ファッションもとにかく流行っているものに手を出します。流行っている格好をしなければ笑われたり仲間外れにされる、だれからもおしゃれだと思われないといけない、と思い込んでいるようです。

その結果、みんな同じような格好をしています。ファストファッションもそれに加担しています。

そして大学に入学する頃、思春期の長いトンネルを出てやっと「私は私」というフランス人的境地にたどり着くようです。