大の漫画好きとしても知られるTHE ALFEEのリーダー・高見沢俊彦さんが今イチオシの作品を紹介。ここでは、 いろいろな時代でさまざまな関係で惹かれ合う2人を描いた、輪廻転生物語『環と周』について語ります。
さまざまな「好き」を描いた輪廻転生物語
『環と周』よしながふみ/著 集英社刊 全1巻
あるときは女学生の友人として、あるときは戦友としてなど、いろいろな時代にさまざまな形で出会う環(たまき)と周(あまね)。家族、友情、恋…それぞれの時代で、それぞれの「好き」を描くオムニバス形式。

環と周(マーガレットコミックス))
環と周は、生まれ変わってもお互いを見つけて惹かれ合います。夫婦だったり、仲のいい友人や戦友だったり、さまざまな時代での出会いをオムニバスで物語が進む、なかなかユニークな輪廻転生コミックでした。
とくに心に響いたのは、3話目の余命わずかな看護師と難病の男の子の話です。話を通じて、生きることのはかなさを感じながら、親がどんな気持ちで自分を育ててくれたのか、少しは理解できたような気がして、今は星になった家族への思いに目頭が熱くなってしまいました。
現代から明治、江戸とさまざまな時代に存在する環と周。もし偶然の出会いが前世からの約束によるものだとしたら、現在関わっている人たちは、なんらかの形で過去に出会っていたのでしょうね。
さらに、1話の最後で周がつぶやく言葉にも心動かされました。これからの日常を環と生きようとする周の決意にグッときます。このコミックは、皆さんの生き方を見つめ直すきっかけになるかもしれません。