息子である「僕」が、お父さんとのなにげない日常や、親孝行をテーマにしたコンテンツを投稿するYouTubeチャンネル「親子バラエティ」は、「有名になりたい!」というお父さんの夢をかなえるために始まったそう。家族の仲睦まじい様子や、大胆な親孝行が大人気で、登録者数は60万人を超えています。ここでは、親孝行のあり方について、息子と父親それぞれの視点から紹介します。

※この記事は『お父さんの夢を叶えたら家族が愛で溢れました』(KADOKAWA刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。

お父さん
人気親子YouTuber、息子と父親それぞれの思いとは?(写真は書籍より)
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息子の場合:「与える親孝行」と「与えられる親孝行」

お父さんと僕
YouTube『男だけでバレンタインチョコを作ったら女子の偉大さを知りましたwww【逆サプライズ】』より

僕は、親孝行には「与える親孝行」と「与えられる親孝行」の2種類があると思っています。

まずは与える親孝行。これは普段僕が動画でやっているように、なにかをプレゼントしたり、一緒に旅行に行ったり、子どもから感謝の気持ちを示した行動です。親孝行といえばこちらを考える人は多いと思います。

一方、与えられる親孝行とは、親に子どもが世話をしてもらうことですでに親孝行を果たしているという考え方です。

子どもが幼い頃は親が子どもの世話をするのは義務なので、子どもとしてはそこに親孝行をしている意識はないかもしれません。ですが、子どもたちが独立してその役目を終えた親が世話を焼きたがるなら、子どもがそれを受けいれるのは親孝行になると思いませんか?

たとえば次のようなことです。久しぶりに実家に帰ったら、母親が山ほど料理を出してくれた。実家から野菜やお米がたくさん送られてくる。親から「ちゃんと食べてる?」「仕事は忙しい?」などという連絡が来る。子どもの皆さんはこんな親を煩わしいと思わず、受け入れていますか?

息子の場合:愛情を素直に受け取ることも親孝行になる

お父さんと夢の七輪
YouTube『お父さんと夢の七輪してみた 後編』より

親にとって、子どもはいつまでたっても子どもなのは変わりません。いくつになっても心配するものだと思います。とくに、子どもが実家から離れて暮らしているなら、寂しさを抱えている親も絶対に多いはず。親にとって、子どもの世話をするのは、生きるバイタリティになる場合もあります。だから、子どもは親のその愛情を煩わしいと思わず素直に受け取る。それだって親孝行の一種だと思うんです。

ただし、これはあくまでも親子がお互いに依存していないことが条件だと考えます。成人した子どもが、心身ともに元気なのに働きもせず実家で親のすねをかじって生きていたら親不孝だと思いますし、親も子離れできずに社会に出た子どもにいちいち口出すようであれば、子どもにとって悪影響になるでしょう。

親と子、それぞれが自立した大人として「親子関係」を上手に継続できているからこそ、「与えられる親孝行」が成立する。家族との距離感を自分でちゃんと考え、それぞれの家族に見合ったバランスを保つことが大事だと思います。

うちの場合も、父、母ともに、いまだに僕がちゃんと食べているか、ちゃんと寝ているか心配します。実家に帰れば、学生時代みたいにたくさんごはんを用意してくれるし、帰るときには「次はいつ来るんだ?」と聞きつつ、おみやげを持たせてくれます。僕が熱を出してひとり暮らしのマンションで寝込んでいたときは、父が差しいれをしてくれました(まさかの油そばのカップ麺だったけど)。僕はそれらをありがたく受け取る。もちろん僕はうれしいし、親も安心する。

社会人になって日が浅いと、目の前の仕事や生活など、自分のことをこなすのに精一杯だったり、友人や恋人と過ごす余暇に夢中になったりして、ついつい親のことを忘れがちです。本当に家族のことを大切だと思うなら、ときどきは自分から親に電話やLINEをしたり、実家に顔を見せに帰ったりしてください。なにげないことでも、見方を変えれば親孝行になります。すぐにできる親孝行はたくさんあるはずです。いつだってできることだからしない、ではなく、いつだってできることならすぐにでもするべきだと思います。