これからパリやフランス旅行に行く人に、おすすめの最新情報をご紹介します。教えてくれたのは、フランス文化研究者・翻訳家で、フラン人の夫と日本で暮らすペレ信子さん。この夏にパリに数週間滞在するなかで、便利になったことが増えてきたと感じたそう。今回は、地下鉄情報やおすすめスポット、フランス料理を食べ疲れたときの解決策についてレポートしてくれました。

パリの街並み
行きたい場所がたくさんあるパリです
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1:地下鉄はカードとアプリがあれば安心!

パリの地下鉄の車内

パリの移動手段といえば地下鉄ですが、苦手意識を持っている旅行者も多いと思います。その理由は、スリや盗難が多いから。

緊張する場面といえば、自動券売機でチケットを買うときがあります。フランス語や英語の画面に集中しながら、お財布からクレジットカードを取り出す瞬間は無防備になりがち。

そこで、おすすめなのが「Navigo Easy」という交通系ICカード。

パリの地下鉄は紙チケットがもうすぐ終了となるので、交通系ICカードを使用することになります。1週間、1か月、1年の乗り放題カードがありますが、数日間の旅行なら「Navigo Easy」(ナヴィゴ・イージー)がいいでしょう。好きなチケットの回数をチャージでき、1人1枚必要です。

このカードと「Bonjour RATP」(ボンジュール・エールアーテーペー)というアプリを使うと本当に便利です。

パリの鉄道

「Navigo Easy」のカード自体は、地下鉄の窓口で購入します。チケットは空港以外のイルドフランス地域圏の地下鉄、RER(高速鉄道)、SNCF(国鉄電車)に有効で(バスやトラムは別チケットになりましたが同じアプリで購入可能)、アプリからチケットをカードにチャージできます。

ホテルやレストランなどで落ち着いてチャージをしてから出発することができるので、メトロの駅でクレジットカードを財布から出さなくてもよくなり、安心です。カードに何回分のチケットが残っているかもアプリで確認できます。

今のところ英語とフランス語での対応しかしていないようですが、路線図、現在の運行・運休状況、乗り換え情報も検索できます。1駅で降りても、ヴェルサイユまで行っても(RERに乗ってもSNCFに乗っても)、1回分のチケットでOKです。

2:ゆっくり観光したいなら「建築遺産博物館」がおすすめ

フランスの建築遺産

日本に観光客が増えてきている印象はありますが、パリの夏の観光客はそれ以上だと感じました。エッフェル塔のそばに行くと、時間によってはまるで初詣のような人出。

すてきなのに、そこではゆっくり観られないというジレンマも。ですが、この夏おすすめの場所を見つけました。

それはエッフェル塔の目の前、トロカデロにある「建築遺産博物館」。中世のモワサック修道院からル・コルビュジエの集合住宅まで、フランスの建築1000年の歴史を一気に実物大模型で見せる博物館なのです。

この博物館を計画して模型をつくり始めたのは19世紀だったそうですが、その模型の美しいこと。建築遺産が一気に会す展示室に入ったときは「ハッ」と息を呑(の)みました。

窓から見るエッフェル塔

どこも激混みのなか、ここはゆったりと観られました。窓からすぐ近くにエッフェル塔も見えます。

じつは、夫の実家に昔からなにをモデルにしたのかわからない彫刻があったのですが、ここでそれと同じ模型を偶然見つけたのです。模型の横には、夫の実家から遠くない場所にオリジナルがあることが記されていたので、後日観に行くこともできました。

建築遺産のショーケースですので、ここで見つけたものを訪ねる旅をするのもよいですね。