理想と夢を詰め込んだ、絵本に登場するようなかわいらしい本棚

本棚
「黒ネコジェニー」や「ムーミン」のシリーズの原書など、かわいらしい本が並ぶコーナーも。一緒に飾られた動物モチーフの小物が楽しさを盛り上げています。
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言葉のメモが「思想のマップ」と話してくれましたが、山荘の本棚も中嶋さんを表すマップです。自分らしい本棚が欲しくて、山荘を建てるときにあつらえました。
壁一面を埋める大きさであること、背の高い本も収まること、灯りがつくこと、可動式のはしごを備えること。はたして、絵本に登場するようなかわいらしい本棚ができ上がったのです。
雑音のない静かな場所で、「本の世界にひたり続ける」夢のような時間がここにはあります。

目的のない読書は、自分の新たな「窓」をあけてくれる

ガラステーブルと本
本棚の前のガラスのテーブルに、好きな本を並べて。山荘はとてもリフレッシュでき「ガッツリ本を読むぞ」と来ることもしばしば。取材の日は、自身でプロデュースする朗読劇のために本の選定作業中だった

絵本など自由な物語を味わうコツを伺うと、少し間をおいてつぶやきました。

「余白を楽しむということかな。想像の世界上の不思議なこと、途方もないこと。そんな『余白』のなかにたゆたっていると、ぽっかりなにかが浮かんできませんか? そうしたら、ふわ~って温かな気持ちになるはずです」

「なにかのために」読むのではなく、物語の世界を「たゆたう」。これこそが中嶋さんの読書。

「物語のなかにダイブすると、いままで自分のなかには存在しなかった窓が開く気がします。そこに心地よい風が通るのを感じられるのです」

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※ この記事は『別冊天然生活 本は友だち 人生を変える一冊と出合うために』(扶桑社刊)より一部抜粋、再構成のうえ作成しています