かつては「インド」と言えば、カレーやガンジス川のイメージが強かったものですが、それはもう昔の話。現在のインドは、日本を追い抜き、世界4位の経済大国として急成長を遂げています。こうした世界の現状について、子どもに関心を持ってもらいたいと思う一方で、大人自身が最新知識をアップデートできていないという事態も多いはず。そこで、世界情勢について詳しくなるためにも、経済大国としてのインドの現状について、現役外交官として活躍する島根玲子さんに教えてもらいました。

インド
※画像はイメージです。(画像素材:PIXTA)
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紅茶売りから首相になったモディ

世界中から注目を浴びるインドは、カリスマ的なリーダーに支えられています。それが、2014年から首相の座につく、ナレンドラ・モディ首相です。

貧しい紅茶売りの家庭に生まれたモディは、幼少期は父親を手伝い、ミルクで割った甘いチャイを街中で売り、家計を助けていたそうです。その後、自分の出身であるグジャラート州の州首相を経て、現在の首相の座についた、というシンデレラストーリーのような経歴を持つ人物です。

インドの経済は、内需に支えられています。中国とインドの発展を比べることがありますが、この2つの国は少し事情が違います。中国は、「世界の工場」として知られているように、外国企業の進出で経済が発展した一方で、インドは国民がモノを買う消費の力、いわゆる内需経済をあと押ししています。

中国とインドの経済成長は、なにが違うのか

この2つでなにが違うかというと、インドの方が外国の情勢に影響されにくいということです。中国のように外国の企業が進出してきたことによって栄える場合、外国の経済が悪くなると、それが中国にも影響します。近年でいうと、リーマンショックや新型コロナウィルスはいい例です。

しかし、インドのように自分の国のなかでの消費、いわゆる内需が強い場合には、外国の動向に影響されにくく、着実な経済成長を続けることが期待できます。また、インドの人口は若く、この高い経済成長は2040年ごろまで続くといわれています。

モディ首相の人気は、堅調な経済発展によっても支えられています。