防災リュックは最低でも季節ごとに確認を
「防災リュックは一度用意したら完成ではありません」と辻さん。油断していると、せっかく重たい防災リュックを背負い避難したのに、全然使えない! なんてことになりかねません。季節に合ったアイテムになっているか。子どもの服はサイズアウトしていないか。持病の薬に変更はないか。食品は賞味期限ぎれになっていないか。季節ごとに確認して、適宜入れ替えましょう。
●夏の防災リュックに入れたいもの
すべての画像を見る(全18枚)熱中症予防のタブレットのほか、扇子やハンディファン、水スプレーを用意。
「ハッカスプレーと水をワンプッシュするだけで涼やかに」
●冬の防寒セット
カイロとレスキューシートに加え、新聞紙やゴミ袋を防寒アイテムとして使うことを想定して準備。
「工夫次第で防災リュックの中身を少なくすることはできますよ」
<新聞紙で暖を取る裏ワザ>
新聞紙はくしゃくしゃにするとより暖か。
「手首や足首、首などに巻くと効果的」
多用途に使えるアイテムたち
辻さんの防災リュックには、さまざまな用途で代用できるお役立ちアイテムもたくさん。非常時に活躍するものをご紹介します。
●新聞紙やビニール袋
新聞紙は災害用トイレや防寒に。ロープはものの運搬や物干しに。レジャーシートやビニール袋は避難所の床に敷くほか、雨ガッパにもなるし雨漏り対策にも使えます。
「必要なすべてを持っていくのは不可能。あるもので代用する知恵と工夫を身につけて!」
●風呂敷・手ぬぐい
風呂敷は敷物やカーテン、頭巾、マスク、授乳時のケープ代わりに。手ぬぐいはマスクや包帯などに使える。速乾性があるのも長所です。
●油性ペン・マスキングテープ
配給品に名前を書いたりメッセージを残したりするのに必要な油性ペン。マスキングテープは止血テープや配給品の名札代わりに使用。
●治療セット
消毒液のほか、止血に使えるおりものシートや包帯テープ、手ぬぐい、ゴミ袋などをセットに。
「持病の薬やかゆみ止めなど、私自身が常に必要なものは防災ポーチに入れているので、防災リュックには一般的な治療セットを備えています」
●エンタメアイテムがあれば避難所の人と打ち解けられる
絵本やトランプなど、楽しめるものがあると、元気が出るし、避難所の人と話すきっかけにも。
「絵本を『あなたは宝塚風に』『あなたは関西弁で』などとお題を出して読み合ったら、老若男女が大盛り上がりしたことが。避難所の空気は重いけれど、前を向くには笑顔が必要です」
現在発売中の『最強防災マニュアル2025年版』(扶桑社刊)では、避難所生活で役立つ防災リュックのほか、日常的に持ち歩ける防災ポーチ、防災ボトルなどの情報をたっぷり紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
