ライフスタイルの変化に合わせて、住まいやもちものをコンパクトする「小さな暮らし」。しかし、そんな暮らしを叶えるために無理をして住み替えると、老後の生活の打撃になることも。今回は、2年前に住み替えを経験したファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんに、住み替えで失敗しないコツを教えてもらいました。

マンションに住む夫婦とひとり暮らしの杖をついた女性のイラスト
住み替えには、将来を見据えたお金の計画が大切です
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住み替えるなら「賃貸」と「もち家」どっちがいい?

賃貸ともち家の住み替え比較グラフ

自分の資産や家庭の状況を踏まえ、もち家と賃貸、どちらにするか慎重に判断を。

●賃貸のメリット:ライフスタイルに合わせて柔軟に対応できる

賃貸は家族や家計の状況に合わせて住み替えやすく、通勤がなくなる老後は好きな場所に転居可能。

「家の修繕費は家主もち、固定資産税も不要」(井戸さん、以下同)

●賃貸のデメリット:「貯蓄が減る」感覚に慣れるのが難しい

老後は家賃の負担感が大きく、貯蓄が減るのが不安になる人も。

「きちんと予算を組んでいても、目に見えてお金が減るのは意外とストレス」

●もち家もメリット:支払いを終えればずっと住める安心感がある

住宅ローンが終われば、家賃がいらないのが最大のメリット。

「高齢になるほど、同じ場所にずっと住んでいられる安心感は大きいです」

●もち家のデメリット:ローンを組む場合返済期間に余裕がない

50~60代でローンを組むと、返済期間が短く、ひと月の返済額も大きくなりがち。

「マンションの場合、管理費や積立金が上がるリスクも」