昨今ブームになっている「ひとり旅」。「50代からひとり旅にハマっています」と話すのは、成人した3人の子をもち、現在はひとり暮らしをしている著述家の中道あんさん。思い立ったらふと旅に出ることもあるというソロ活達人の中道さんに、60代以降からのひとり旅を「より快適にするコツ」を紹介してもらいました。未経験や初心者の方にもおすすめのアイデアが満載です。

中道あんさん
ひとり旅をする中道あんさん
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あえてひとつの目的をじっくり堪能する

ふと思いたって1泊2日の旅に出ました。一度気に入った場所は何度も訪れ四季折々の変化を楽しみ、その場所の魅力を深める。今回は、自宅の最寄り駅から電車で1時間半くらいの京都府亀岡市にある湯の花温泉へ行ってきました。

とはいっても、ただ温泉に入るだけなら日帰りプランで十分です。今回の目的は、少し寄り道をして、京都の京セラ美術館で始まったばかりの『モネ 睡蓮のとき』を鑑賞すること。スマホから目を離して読書の時間を設けること。本格的な会席料理にワインを合わせてみることです。

美術館のそばには、いくつか観光名所もあります。欲張れば、いろんなことができちゃうのだけれど、あえてひとつをじっくり堪能するのをよしとする旅。そして時間を有効に使うことを目的としました。

疲れる前に休むこと

まず、美術館に着いたら先に腹ごしらえをすることにしました。12時を過ぎたら、どのお店も満席になってランチ難民になるはず。家から電車で1時間ちょいとはいえ、朝から犬の散歩をして、洗濯を干して出てきたらコーヒーを飲んでいる暇さえなかったのです。まずは、しっかりエネルギーチャージが必要です。

60代からの旅は、疲れる前に休むことです。旅先で倒れちゃってはシャレにならないですからね。

さて、レストランを出ようとしたら、ちょうどお昼どきで順番待ちの長蛇の列でした。タイムロスをなくすには、お店に並ばなくてもいい方法を考えることも大事なのです。

旅にはスカーフは必需品

スカーフ

また、美術館では両手をあけておきたかったから、お財布ポーチしかもっていません。なにかを購入したときに入れるカバンがありません。そこで、首に巻いていたスカーフを外して四隅を縛って手さげ袋に変身させました。旅のお供にスカーフは防寒や冷風よけ、カバンや敷物になるので必ず1枚持っていきます。

ひとりだからこそ、しっかり下調べしてから行動する

さて、せっかく京都にきたのだから、美術鑑賞のあとは京都らしいカフェでお茶でもしようと思い立ちました。たまたま、駅から美術館へ行く道すがらいい感じのお店を見つけておいたので入ってみました。結論から言うと、無愛想な接客にそれまで高揚していた気持ちがクールダウン。やはり、下調べせずに入っちゃうと残念な結果になることもあります。これも旅の醍醐味だと考えて広い気持ちで抹茶をすすりました。

このあと、電車に乗って「いざ亀岡に!」と思って改札を通ってホームに降りて、ハッと気がつきました。荷物をコインロッカーに預けていたことを忘れていたのです。あと1分で電車が出るところだったので慌てていたせいでしょうが、ひとりだと声をかけてくれる人もいないので、心にゆとりを持って行動しないといけません。あのまま電車に飛び乗っていたら、なにもかも台なしでした。