宿の食事は個室か半個室がゆったり過ごせる

というわけでいろいろありましたが、無事に宿に到着。そんなに歩いたわけでもないし、人混みにもまれたわけでもないはずなのに、足はむくんでいるし体も疲れていました。部屋のベッドにダイブすると重い体がマットに沈んでいくのを感じます。

あぁ、これが60代なんだろうなと実感。しばらくぼんやりとして過ごし、持ってきたお菓子をボリボリと食べてひと休み。

刺身
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すぐにでも温泉に行きたいけれど、この時間はほかのお客さまも大浴場に行くだろうから、あえて部屋ゴロを楽しみます。その代わりに夕飯を早めにしてもらい、お食事処へ行くと、なんと個室にとおされました。何度となく宿泊していますが、初めての個室利用です。

ひとり旅では、ひとりで寂しそうに思われないか、とくに食事のときに人の目が気になったりしますが、半個室か個室で食事を提供してくれるお宿を利用すると安心です。

ひとりですから、ちょっぴり寂しい気持ちにもなります。だから、いつもと違う注文をしたり、接客係りの人に積極的に料理について尋ねたりして、自分で自分を盛り上げていきます。

お風呂の時間を周りとずらして楽しむ

露天風呂

部屋に戻って、胃袋が落ち着くまで読書をしたりして過ごします。さぁ、そろそろ寝なくちゃという時間になって浴場にいくと、当然のごとく貸しきりでした。露天風呂を独占できるなんて最高のぜいたくです。

露天風呂も朝いちばんは爽快です。今度は早めに行くと、また貸しきり状態でした。新鮮な空気を胸いっぱいに吸いこんで瞑想すると、自分は十分満たされて幸せであることに気づけます。瞑想は難しくもありますが、ただ自分の呼吸に意識を向けつづけ、手足が温かいだとか、お湯の流れる音に耳を傾けるなどするとやりやすいです。

本を一冊持っていくといい

朝食はテーブルいっぱいに並べられたお料理を堪能し、そのあと、お宿のライブラリーで大きな窓のから外の景色をながめながらのコーヒータイムです。チェックアウトまでは、斜め読みしないように意識しながらしっかり読書を楽しみます。

本はどこでも読めますが、普段と違う環境だと読む込みやすくなります。なので、必ず1冊は持って行くようにしています。

「なにもしない」という目的で旅をしてもいい

最後は京都駅のイノダコーヒーで名物プリンと熱々コーヒーをお供に読書して、1泊2日の近場温泉旅行は終了しました。近場だからといって、なにもすることがなくつまらないと思われがちですが、「なにもしないことをする」目的でもいいと思います。

人間は年齢を重ねるごとに意欲が低下していきます。新しいことへの興味が薄れ、体を動かすことが億劫(おっくう)になり、やがて家から出ようとしなくなります。意欲が低下すれば、お金を使わなくなりますから、お金の不安は少なくなるでしょうが、一気に老けこんでいきます。

だから、ときにはぜいたくをすることで「やっぱりお金は必要だ。働こう!」という気にさせてくれます。旅は私にとって働く意欲を高めるものでもあるのです。

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