3つ以上当てはまったら要注意! 簡単問診票をやってみよう

聞き取れない女性
もしかして自分は人の話を聞き返してしまっていることが多い…?(※写真はイメージです)
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LiDの聞き取りが難しくなる状況を聞いて「あれ? これ、難聴と同じ症状ではないの? どこが違うの?」と思った人もいるのではないでしょうか。

「難聴の方も、聞き直しや聞き間違いが多く、雑音のある場所では話をうまく聞き取れない症状は同じです。『相手の話が聞きづらい』ことに変わりはないのですが、LiDが難聴者と大きく違う点が、一般的な聴力検査をしても「異常がない」ということ。少し雑な言い方ですが、『聞こえが悪い=難聴』で、『聞き取りが悪い= LiD』です」

聞き取りに不安があったら、下記の簡単問診票で確認してみましょう。

「これは、私が作成しただれでもできる簡単問診票です。質問のうち、3つ以上当てはまったら、LiDを疑ってもいいかもしれません」

□ 健康診断の聴力検査や、病院の検査では『異常なし』なのに、聞こえにくい気がする
□ 早口な人や、声の高い人や、声の低い人など、特定の人と会話するときに、聞こえにくい気がする
□ 意地悪しているつもりはないのに、『無視しないで』とか『話をそらさないで』と言われることがある
□ 周囲の雑音や声や様子など、いろいろなことが気になってそわそわしてしまい、会話に集中できないことがある
□ 仕事や勉強や作業や遊びなどに集中していると、呼ばれていることに気づかないときがある
□ 話を聞きながらメモをとる、ということが難しく、話を聞くときはメモはとらず、聞くことだけに集中している
□ なじみのない単語や、自己紹介や電話口の人の名前がうまく聞き取れない
□ だれかの話を聞いているときに集中力が続かなくて、なぜかぼんやりしてしまったり、気づいたときには話題が変わっていることがある
□ 会話をした数分後や数時間後に、ふと、会話時に聞こえなかった言葉や、相手の言いたかったことがはっきりわかることがある
□ 会話をしているとき、せっかく話題に乗ろうとしても相手の反応がいまいちだったり、『空気が読めてない』と言われることがある
□ 頼まれた用事があるのに、別のことをしているうちに忘れてしまったり、思い出せないことがある
□ 聞いている最中はたしかにわかっているのに、あとでなにを言っていたのかわからなくなったり、思い出せなくなったりすることがある
□ 引越し、進学、転職、部署異動など、環境が変わってから聞こえにくくなった気がする
□ 周りの人と比べて、自分は聞き返すことが多い気がする
□ 複数人での会話が苦手で、1対1で会話する方がやりやすい気がする
□ 寝不足やストレスで身体や心が疲れている気がする

いかがでしょうか? 意外と当てはまる人が多いかもしれません。

LiDかなと思ったら、まずは耳鼻科へ

「LiDを疑ったら、必ず行ってほしい検査が聴力検査です」

と阪本先生はいいます。

「LiDには、『聴力検査をしても異常は認められない』『音として聞こえているのに、言葉として聞き取れない』という2つの特徴があります。そのため音そのものが聞こえづらい難聴とは分けて考える必要があるのです。

残念なことに、耳鼻科医でもLiDについて知らない人も多く、検査を受けられるクリニックの数は限られています。しかし、聴力検査であれば、身近なクリニックでも受けられるため、『LiDかな?』と疑うのであれば、手始めに聴力検査を受けることをおすすめします。多くの耳鼻科でカジュアルに受けられる聴力検査を、『純音聴力検査』というので、そう伝えると早いでしょう」