タンパク質は、すべての人にとって必須の栄養素。健康的な体づくりにはタンパク質が不可欠で、疲れにくくなったり、美容やダイエット効果への期待も。ここでは、医学博士の福田千晶先生に、タンパク質を上手にとるコツと、朝昼にとるべき理由を教えてもらいました。
すべての画像を見る(全2枚)タンパク質をとる4つのメリット
タンパク質を適切にとっていれば、肌にハリが出て髪にツヤが出てくる、疲れにくくなる、ダイエットの効果が出やすくなるなど、体が自然に整いやすくなります。タンパク質を消化、分解する過程では体内で熱が生み出されるので、冷え性の改善にも。このほか、免疫機能が高まるなどの効果が期待できます。
●1:疲れにくくなり抵抗力もアップ
タンパク質は、筋肉の疲労を回復させ、肉体の疲れを解消するアミノ酸を含有。また、体の免疫機能を担う免疫細胞や、体内に侵入してきた異物と戦う「抗体」の原料にもなります。
●2:肌や髪がキレイになる
肌の弾力やハリを生み出す「コラーゲン」や「エラスチン」、髪の主成分「ケラチン」は、タンパク質で構成。しっかり摂取すれば美髪&美肌に。
●3:心のバランスが整う
気持ちを安定させる「セロトニン」や、やる気の素「ドーパミン」は、タンパク質からつくられています。適切にタンパク質をとると、これらの合成がスムーズになり、気持ちが安定。
●4:新陳代謝がアップ
食べ物の栄養素を体の中で使える形に変換(代謝)するために酵素が使われますが、酵素のほとんどはタンパク質。タンパク質をとることで酵素が強化され、代謝もアップ。
タンパク質は朝も昼もこまめにとるのがコツ
タンパク質はまとめて摂取したり、タンパク質のまま体内で貯蔵ができません。摂取するたびに体内で分解と筋肉やそのほかの組織への合成・組成が繰り返されています。
夕食から朝食までは食事の間隔が長くなるので、材料となるタンパク質の供給がストップ。朝食でタンパク質が補給されないと、体は筋肉を分解して乗りきろうとするので、筋肉量が減少してしまうのです。タンパク質は3食でこまめに、とくに朝食と昼食では意識してしっかりとりましょう。
●動物性、植物性どちらもとって
タンパク質には、肉や魚や卵などに含まれる「動物性タンパク質」と、大豆や大豆製品などに含まれる「植物性タンパク質」があります。
効率よく体に吸収されるのは、動物性タンパク質で、体内で必要量をつくり出せない「必須アミノ酸」が豊富です。一方、植物性タンパク質は必須アミノ酸の量は少なめですが、脂肪燃焼を助ける効果があり、脂質が少なめです。健康のためには、両方をバランスよくとることが重要です。
※ 腎臓疾患など病気のため食事制限をされている人は、主治医の食事指導を守ってください
●動物性タンパク質を含む食材
必須アミノ酸を多く含み、代謝を助け、疲労回復を促すビタミンB群も豊富。肉や魚介類、卵、ヨーグルトやチーズなどの乳製品に多く含まれます。
●植物性タンパク質を含む食材
脂質が少なく、食物繊維を多く含む。脂肪燃焼効果は、動物性タンパク質より高い。豆や豆腐、納豆などの大豆製品に豊富で、穀類や野菜にも含まれます。