年末年始に食べすぎた分を減らすべく、ダイエットを始める方が多い時期です。「ダイエットというと摂取カロリーに関心が行きがちですが、バランスの取れた食生活が大事になってきます。日本人に多いのが、塩分のとりすぎ。気づかないうちに摂取している人も多いと思います」と語るのは、AI食事管理アプリ『あすけん』の管理栄養士・道江美貴子さん。塩分の摂りすぎがダイエットによくない理由と、普段の食事で気をつけたい、「じつは塩分が多い食べ物」について伺いました。

パン
意外と塩分の多い食べ物とは?(※画像はイメージです)
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健康的にやせるには「塩分」に気をつけて!

――日本人の食塩摂取量は、世界的に見ても高い水準にあるといいますが、そもそも塩分のとりすぎがダイエットに悪影響を及ぼす理由はなんでしょうか。

道江さん(以下 道江):しょっぱいものを食べると、ついついご飯やお酒が進んでしまうことはありませんか? 塩分の多い食品をとることで、食欲が増えたり高カロリーな食品を摂取しやすくなったりするため、肥満につながる可能性があります。また、塩分をとりすぎると体内に水分が溜まりやすくなり、むくみを引き起こすこともあります。

厚生労働省が定める1日の塩分摂取目標量は、女性が6.5g、男性が7.5g未満。しかし、国民健康・栄養調査(令和5年)によると、日本人の食塩摂取量の平均値は9.8gとなっています。高血圧の場合、1日の摂取目標量は6g未満ともっと厳しくなりますが、これはラーメン1杯を汁まで飲んだら簡単に超えてしまうほど少ない量です。

健康的にやせたいならば、ラーメンの汁は全部飲まない、調味料を控えめにするなどの工夫をして、減塩を意識してみましょう。みそ汁も1日3食毎回飲むと塩分が過剰になるので朝・晩の2食にしてみる。野菜をたくさん入れると、野菜の甘味やコクが出て、小さじ1杯程度のみそでもおいしくいただけます。

――ラーメンはいかにも塩分量が高そうなイメージがありますが、逆に「じつは塩分が高い」食べ物はどんなものがありますか?

道江:代表格は食パンです。6枚切りの食パン1枚につき塩分は0.7gとなっています。日常的にパンを食べたいなら、「ふわふわ」よりも「ずっしり」したパンを選ぶのがコツです。生成された小麦粉でつくられた白いふわふわとしたパンは、軽い口当たりでおいしいのですが、そのおかげで何個も食べたくなってしまったり、腹持ちせずに、すぐおなかがすいたりしてしまいます。少量でも満足感があって腹持ちする、全粒粉やライ麦が使われているパンやバゲッドなどのハードパンを選びましょう。

また、伝統的な和食は塩分が高めのものが多く、梅干し、つくだ煮、たくあんなどの「ご飯のお供」は食べすぎに注意。細かいところですが、納豆のタレも塩分高め。使う量を半分にし、あとは薬味や香辛料をたすと、摂取量を抑えられます。