正月太りが気になって、ダイエットを始める方が多い時期。しかし大人のダイエットは、ただ摂取カロリーを減らせばいいというわけではありません。ここではAI食事管理アプリ『あすけん』の管理栄養士・道江美貴子さんに、「正月太りを解消する食生活のコツ」について伺いました。
すべての画像を見る(全2枚)健康的にやせるには「食事の質」が大切
――正月太りが気になって、ダイエットを始める方が多い時期です。どのようなことに気を付けて食生活を改善していけばいいでしょうか。
道江さん(以下 道江):「摂取カロリーを減らすために極端に食事の量を減らせばいい」と思う方もいるかもしれません。でもそれは健康的にやせることとは真逆の方向へ行っています。カロリーオーバーを気にしすぎて、大事な栄養素をとらない日々が続くと、体が疲れやすくなり、動くことがより億劫になって、その結果、ますます代謝が落ちてやせにくくなるスパイラルに。大人の健康的なダイエットに必要なのは「カロリー制限よりも、必要な栄養をとって食事の質を上げること」です。
――一時期流行った「糖質抜きダイエット」などは、あまり効果的ではないのでしょうか?
道江:確かにパンやお米のような糖質が多い炭水化物の摂取量を減らすと、一時的に体重もダウンします。糖質オフが体重減につながるのは、人間の体が持つ水分の量と関係しています。もともと人体の約50~60%を占めているのは水分です。
糖質は水分を体に蓄える役割を備えているため、量を控えると体内の水分量が減る→短期間で体重が落ちて減量に成功した! という感覚になるのです。糖質制限による短期間の体重減は体脂肪ではなく水分が減っているだけ、ということも。
ダイエット中に体重が落ちるのはなによりもモチベーションになります。そういう意味では、やる気につながるかもしれませんが、糖質も体に必要な栄養素です。糖質制限を考えている人は、毎食ではなく、夕食だけご飯を抜くか、量をいつものお茶碗の半分に減らす程度にしておいてください。
摂取する糖質の種類も、意識してみましょう。積極的にとりたいのは、米、麺、イモ類など、食物繊維が含まれた糖質(炭水化物)です。オートミールも、食物繊維がたくさん含まれている優秀な主食。炭水化物に含まれる食物繊維は、血糖値の急上昇を抑制し、肥満リスクを軽減します。