亡くなる前日までXで食事を投稿

じつは、Xを始めてみればと母に勧めたのは私ですが、母がやり始めてからは私がほとんどXをやらなくなってしまったので、投稿の様子などは電話で聞いていただけだったんです。

亡くなる1か月前ぐらいからは、食事の写真を投稿していました。投稿するようになってから、より食事の彩りを考えるようになったと話してくれました。

晩酌
2024年6月9日に博子さんが投稿した夕食の写真(『幸せな最期を迎えた91歳ひとり暮らしの食卓』より)
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17年前に胃がんになってから、食生活にすごく気をつけていた母は、食事の彩りをよくすることで栄養バランスもよくなると考え、体にいい食材を積極的に取り入れていました。

投稿用に写真を撮るときに、「このお皿の方がいい」「赤がたりないから、トマトをたそう」「緑は左側に入れた方がきれい」と、考えるのが楽しいと言っていました。

ひとりで食べるだけじゃなくって、Xという場を通じて共有することは、右脳を使う芸術的センスが養われるような気がします。脳にも健康にもいいことだと思っていました。

毎日のように「晩酌の友」を中心とした食事の写真をXに投稿していた大崎博子さんの著書『幸せな最期を迎えた91歳ひとり暮らしの食卓』(宝島社刊)は発売中。大崎さんが心がけていた食の工夫やレシピ、生前のインタビューも収録。

幸せな最期を迎えた91歳ひとり暮らしの食卓

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