家が散らかっていたり、片づいていないだけで、意外と暮らしに影響が出てきてしまうもの。片づけが苦手だったことから、かつては負のループに陥っていたと語るのは、50代60代の暮らしに関する著作をもつ整理収納アドバイザーの原田さよさん。片づけを始めてから、プラスに好転した出来事について語ってくれました。

リビング
整理収納とリフォームで使いやすくなったリビング。殺風景でも、義母も私たち夫婦も幼い孫たちも安全に歩けます
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片づけで人生が変わったことを実感

私が家じゅうの片づけをはじめようと決心したのは、障害のある息子を亡くしたことがきっかけでした。2013年の春、ちょうど私が50歳のときです。それから約9年かけて、大きな家具から小さな思い出の日記まで整理してきた過程で、いつのまにか自分の人生が大きく変わっていたことに気づきました。ものを減らして収納しやすくなっただけでなく、暮らしそのものが劇的にラクになり、自分自身も変われたのです。

私はもともと捨て下手で、収納を考えるのも苦手だという自覚はあったものの、家が散らかりがちなのは手のかかる息子の影響だと思い込んでいました。ところが、家のあらゆる場所を整理するにつれ、散らかっていたのは私自身の問題だったことに気づきました。そんな私が実感してきた、整理収納の効果をまとめてみたいと思います。

整理収納の効果が先にわかっていれば、途中で挫折しかけてもまたがんばれます。私のように苦手意識がある人ほど、片づけやすい仕組みを先につくっておいて、身軽な暮らしを目指していただきたいと思っています。

整理収納がうまくいかないと、暮らしにも負の影響がある

散らかったころの家のなか

不要なもの、使っていないものでも、なかなか手放せず、収納もその場しのぎのことばかりしていた頃の私は、次のように負のループに陥っていました。

●整理も収納も上手くできなかった頃の私の状態

・探しものばかりしているし、家族にも「あれはどこ?」と聞かれてばかりで、イライラしがち

・同じものを何度も買ってしまい、お金の無駄遣いをしていると、しょっちゅう凹む

・収納にギュウギュウに押し込んでいるので、サッと出せない、戻しにくい

・入りきらないので家具や家電の上へ上へと積み上げてしまい、いざ取ろうとすると怖い

・収納に入りきらないものを床置きしていたので、つまづくこともあった

・散らかったままだと予定がずれこみがちで、予定を直してばかりいる

・ちょっとしたものでも家族が戻していないと、不愉快な気持ちになってしまう

・時間にも心にも余裕がなくなり、したいことができずストレスがたまる

こんなことで、片づかないことが影響し、自分自身にも悪影響がありました。