毎日よく眠れていますか? 睡眠の役割は脳と体の疲労回復。ぐっすり眠って気持ちよく目覚めたら脳と体の疲れがとれているサイン。そこで、睡眠専門医の白濱龍太郎先生に、寝る前にちょっとの時間でできて安眠できる、簡単なストレッチを教えてもらいました。

ぐっすり快眠ストレッチ
ぐっすり快眠ストレッチ
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ストレッチで、安眠までの3つのステップを実践しよう

「私たちの睡眠は、浅いレム睡眠と深いノンレム睡眠をひと晩で4~6回繰り返しています。レム睡眠では、脳は休息せずに情報の整理を行う一方、ノンレム睡眠は脳も体も休息した状態。

ノンレム睡眠のなかで最も深い睡眠を深睡眠と呼びます。睡眠の質は、レム睡眠とノンレム睡眠のきり替えがスムーズで、深睡眠をとれているかどうかで決まります」と教えてくれたのは、睡眠専門医の白濱龍太郎先生。

レム睡眠は明け方に出やすく、深睡眠は眠りについてから4時間以内に集中して現れるそう。

3ステップ

「最初の深睡眠は入眠して30分後くらいに出現します。その後、2~4時間の間に深睡眠が1~2回現れるのが理想です。長時間眠っても深睡眠がとれていなければ、起きたときに疲れやだるさが残り、ぐっすり眠ったとはいえません」

睡眠のリズムを整え、深睡眠を得るカギとなるのが、自律神経と深部体温です。寝る前の過ごし方を工夫し、ストレッチを取り入れて呼吸を深めることで、両方を整えることが可能といいます。

「体に負担の少ない運動なので、できるだけ毎日継続してほしいです。『ストレッチのあとによく眠れる』という脳の回路ができ、安眠につながりやすくなりますよ」

Step1 深部体温を上げる寝る前ストレッチ

“深部体温”とは、体温計では測れない体の内部の温度のこと。日中は高い体温を保って活動モードを維持し、夜にかけて下がっていき休息モードへ。

「人の体は深部体温が下がると眠くなります。温度の高低差があるほど深い眠りが得られるので、ストレッチで体温を上げていきましょう」

入浴後にストレッチを行うと、より深部体温が上昇します。

●全力両腕伸ばし

背面の褐色脂肪細胞を刺激して活性化させ、血流が滞りがちな上半身をほぐします。息をゆっくり吐きながら行います。

3秒間キープ

(1) 両手を組み、手のひら側を前に突き出して3秒間キープする。

(2) そのまま両手を上に突き上げ、左右に軽く揺らす。(1)(2)を5回繰り返す。

Step2 リラックスする寝る前ストレッチ

このステップは心身をほぐし、リラックスモードの副交感神経が優位になるように促すのが目的。

「ストレッチは、深い呼吸とともに行うことが大切です。おなかに息を入れてゆっくり吐き出す腹式呼吸で副交感神経を高めることができます。

また、ギュッと力を入れてパッと脱力するストレッチは、より筋肉がほぐれて血流が効率よく上がります」

●脱力腹式呼吸

腹式呼吸で副交感神経が活発になりリラックス。睡眠の質を上げ、免疫力を高める効果にも期待。おなかの動きを感じながら行います。

手を組み

(1) 手を組み、手のひら側を前に突き出して3秒間キープする。

(2) そのまま両手を上に突き上げ、左右に軽く揺らす。(1)(2)を5回繰り返す。