理想のキッチンを実現するためのヒントが詰まった、建築家の自邸キッチンを訪ねました。築40年の中古マンションを購入し、全面リノベーションした「Buttondesign」主宰・菊田康平さんのお宅です。LDKの仕切りのない開放的なキッチンには、工夫がいっぱい。収納スペース、作業台、料理をダイニングやリビングに運ぶ中継地点にもなるカウンターも便利そう!

建築家の菊田康平さんの家のキッチン
キッチンカウンターの前で、妻と食事の準備をしている建築家の菊田康平さん
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ワンルームのLDKにインテリアの一部と考えてキッチンを設計

一室空間のLDK

築40年、78㎡のマンションを全面リノベーションした菊田康平さん。設計上でこだわったのは、寝室と子ども部屋、2つの個室以外のスペースは、できるだけ広く感じられる間取りにすることでした。そこで、キッチン、ダイニング、リビングがひと続きになるワンルームタイプに。

「ワンルームタイプのLDKってよくありますが、キッチンが腰壁で隠れていたりする。それよりももう少し踏み込んで、どこがキッチンかわからないようにしようと。全体としては、キッチンもインテリアを構成する家具の一部と考えて設計しました」

キッチンの全景

そこで、キッチン収納の定番であるつり戸棚はつけず、自ら設計したステンレス製のキッチンカウンターを設置。線状の模様をつけるヘアライン仕上げが一般的ですが、それだと業務用キッチン感が出てしまうので、側面には振動で細かい傷をつけたようなバイブレーション仕上げを施し、空間によりなじませる工夫がされています。

キッチンカウンターi

「このキッチンカウンターは収納スペース、作業台、料理をダイニングやリビングに運ぶ中継地点として1台でいろいろな使い方ができて、とても便利です」

キッチンカウンターの棚はすのこに。ホコリがたまりにくい、見た目が重たくならない、視線が抜ける、などのメリットがあるそう。

キッチンの面材

キッチンの面材は1枚ですっきり見せつつ、中は2段に仕切って機能性を高めました。

壁と棚には磁石がつくZAM 鋼板を採用

壁と棚には磁石がつくZAM鋼板を採用し、マグネット式のキッチンペーパーホルダーなどを活用しています。