暑さが増してくると、なかなか寝つけず、寝ようと思えば思うほどさらに眠れなくなってしまうという経験のある人も多いのでは?
よく眠れないと睡眠の質が低下して、前日の疲れがとれないということも…。寝つきがよくなるコツを、医師の梶本修身先生と寝具メーカー西川の杉原桃菜さんに教えてもらいました。
ちょっとした生活習慣を見直すと寝つきがよくなる!
「質のよい睡眠とは、前日の疲れがとれている眠りのこと。逆に睡眠の質が悪いと、疲れがたまってさまざまな病気を引き起こします」と梶本先生。とくに夏は、暑さや疲れなどで寝つきが悪くなる人が増え、睡眠の質が低下しがちです。
寝つきの悪さは、エアコンで快適な室温と湿度を保つことに加え、ちょっとした生活習慣を見直してリラックスすることで改善できます。眠りの入り口をととのえることは、快眠の近道。眠りのプロの「寝つきのコツ」を実践して、今日から睡眠の質の向上を!
●ベッドで「寝る」以外のことはしない
ベッドでスマホをいじったり、本を読んだり。だれもがしがちな習慣ですが、じつはこれはNG!
「ベッドや布団では、眠ること以外の作業をいっさいしないことが重要です。ベッド=眠るというすり込みがあると、寝つきがよくなるんです。とくにスマホは脳にいろいろな情報が入ってくるので、自律神経の交感神経が優位になり、寝つきが悪くなる原因になります」(梶本先生)
●寝る前に水分をとりならがら軽いストレッチ
心地よく眠りにつくには、睡眠をつかさどる自律神経の副交感神経を優位にさせることがポイント。これには、寝る1時間ほど前に行う軽い運動がおすすめです。
「筋肉をゆるめて血流をよくするストレッチが効果的。適度な水分をとりながら、下の(1)~(4)の順にゆっくり体を動かし、リラックスモードを心がけましょう」(梶本先生)
(1)肩
両肩をすくめるように引き上げ、数秒保ってストンと脱力。これを数回繰り返す
(2)腕
こぶしを両肩の辺りに置いて力を入れ、数秒保ってから脱力。これを数回繰り返す
(3)脚
イスに座って脚をのばし、つま先を手前に向け、数秒保って脱力を数回繰り返す
(4)全身
(1)~(3)をすべて同時に行い、全身の力が抜けてリラックスできたら終了
●自分なりの入眠儀式をつくる
自分なりのルーティンを入眠儀式として行って、眠りのスイッチを入れるという方法も。
「寝る前にラベンダーやオレンジなどのアロマを使う、自然の音やクラシック音楽をかける、深呼吸をするなど、自分が心地いいと思えることを入眠儀式に。暗示効果もあるので、副交感神経が優位になってリラックスしやすく、自然と眠りに入れます」(杉原さん)
●39℃くらいのお風呂で体を温める
脳や内臓などの深部体温が下がるときに眠気が起こりますが、そのためには体温を上げておくことが大切です。
「体を温めてリラックスするには、お風呂に入るのが効果的。入るタイミングは、寝る1時間ほど前。39℃ぐらいのお湯に10~15分浸かります。熱く感じる温度だと自律神経の交感神経が優位になってしまうので、ぬるめがポイントです」(杉原さん)
ESSE8月号では、「蒸し暑くてぐっすり眠れない」「寝ても寝ても疲れがとれない」など、夏の睡眠の悩みを解消するコツを睡眠のプロが伝授。
どれもすぐに取り入れられることばかりなので、眠りの悩みを解消して、疲れない上質な睡眠を目指しましょう!