理由はわからないけれどイライラする、気持ちが上がらずうつうつする、とにかくだるくて動く気になれない。疲れや更年期など、様々な理由でメンタル面の不調を感じている方もいるかもしれません。そんなとき、薬に頼る前に、それぞれの症状を助けてくれる食材があるそう。SNSでも話題の漢方コンサルタント・櫻井大典さんにメンタルの症状別にオススメの食材を教えていただきました。
すべての画像を見る(全5枚)胃腸と心は密接な関係。メンタル不調も胃腸からアプローチを
「中医学の薬膳の考え方では、食材はそれぞれ、体にどんな作用をもたらすかという性質で分けられており、栄養素だけでなく、気や血(けつ)などを増やしたり働きを助けるという、中医学的な効能をそれぞれに持っています」と、櫻井さん。
その効能によって、胃腸やメンタルが弱っているときにオススメの食材があるのだそう。これは、中医学の基本中の基本の考え方のなかに、「胃腸と心は密接につながっている」という考え方があるからです。
「胃腸と心のつながりは、皆さんが想像している以上に密接で、お互いに影響し合っています。胃腸が元気なら心も元気な状態で過ごせます。反対に胃腸が疲弊すると、心も元気をなくし、うつうつ、イライラ、だるだる、くよくよなどの状態になりやすかったり、またその状態をコントロールするのが難しくなります。ですから、心は目に見えず触ることもできませんが、心が元気がないときは、胃腸の方を元気にするようアプローチすれば、それにつられて心の状態も自然に整っていくのです」(櫻井さん)。
つまり、常に胃腸が元気でいるよう心がければ、メンタル不調も起きにくいといえるのです。
食べたものを取り入れるには胃腸を冷やさないことが大切
櫻井さんによると、元気な胃腸を維持するために、とても大事なことがあると言います。
「“イライラ”などにオススメの食材を食べるにしても、“胃腸が元気で食べたものをきちんと体に取り入れることができる状態であること”、が大前提です。そうでないと、せっかくオススメ食材を食べても、消化吸収して体に取り入れることができません。
胃腸を常に元気に保つために最も大事なことは、“冷たい飲みもの、食べものをとり過ぎず、胃腸を冷やさずあたためること”です。
冷たいものを避けた方がよい理由は、中医学では、胃腸と同じ役割をしている脾(ひ)という場所が、“冷たいもの”“過剰な水分”“湿気が高いもの”を嫌うから。とり過ぎていると胃腸はどんどん弱ってしまいます」(櫻井さん)。
そのことを念頭に置いて、普段から冷たいものをとりすぎないようにしつつ、オススメの食材を食べるようにしましょう。