もうすぐ梅雨、傘の出番が多くなる季節です。じつはこの傘は、「貯まる家」「貯まらない家」のバロメーター。片づけの仕事で数多くの散らかったおうちを訪問することが多いライフオーガナイザー、ファイナンシャルプランナー、家計アドバイザーの下村志保美さんは、「貯まらない家には大量のビニール傘がある傾向があります」と言います。詳しく教えていただきました。
すべての画像を見る(全5枚)部屋が散らかっているお宅ほど、玄関のビニール傘もやたらと多い
コンビニやドラッグストア、駅の売店などで気軽に買えるビニール傘。本当に便利な時代になりました。ところで、私がお客様の家で片づけをお手伝いしていて、気づいたことがあります。「部屋が散らかっているお宅ほど、玄関のビニール傘もやたらと多い」という事実です。3人家族なのに5本、10本というのは当たり前。中にはひとり暮らしで20本以上のビニール傘をお持ちの方もいらっしゃいました。
近頃は、スマホアプリの天気予報機能などが充実していますから、皆さん、夏場のゲリラ豪雨などの時季は、天気をこまめに調べ、雨が降りそうだと思ったら、あらかじめ傘を持ち歩くことができます。
「なんとなくビニール傘を買う」習慣は、その対極にある行為。チリツモのムダな消費をなくしたいなら、真っ先にやめたい習慣です。
玄関に使っていない傘をパンパンにためがちな人は、雨が降ったら外で適当に買えばいい、と思っています。しかし傘は、捨てるときに意外と面倒くさいもの。「燃えないゴミ」扱いの自治体が多いので、燃えるゴミや資源と違い、回収日自体が少ないです。買うときは手軽に買うことができても、捨てるのに時間や労力がかかるものは、極力持っている数を少なくしておいたほうがいいと思います。
また見栄え的にも動線的にも、玄関に同じようなビニール傘が何本もあり、傘立てからあふれているような状況は、好ましくないですよね。
場合によってはタクシーに乗ったほうがコスパがいい
ビニール傘をムダに買わないためのいちばんいい工夫は、折り畳み傘を持ち歩く習慣をもつこと。最近では日傘と兼用できるものも売られていますので、夏の熱中症対策も兼ねて、一本そろえておくのはいかがでしょうか。日常使いのバッグに入れておき、折り畳み傘を持ち歩くことを習慣化してしまえば、外出先で突然の雨に降られても、その都度、傘にお金を使うことはなくなります。
最寄り駅から自宅までの短い距離や、目的地があとワンメーターぐらいというところで激しい雨が降ってきたとき、私は割りきってタクシーに乗ることにしています。「タクシーに乗るなんてもったいない!」と思われるかもしれませんが、ビニール傘1本で600~700円しますから、近距離のタクシー代とそう変わりません。濡れた傘を持ち帰り、家で保管し、さらに捨てる手間を考えると、ささっとタクシーに乗ってしまったほうが、結果的には経済的にお得なことが多いのです。
また、「お気に入りの1本」を買うこともおすすめです。雨に降られる度にビニール傘を買い増していくと、10回で数千円~1万円の出費になりますよね。デパートで好みの色や柄の入った傘を1本買える金額です。
私の場合、デパートで自分の顔色がよく見える傘を購入したら、雨の日も「今日はあの傘が使える」と、気持ちが明るくなりました。選び抜いて買った1本なのでサビないようにと、使い終わったら水滴をふき取り、晴れた日はよく乾かしています。置き忘れや盗難に遭わないようにと、気を配るようにもなりました。ファッションが好きな方は、傘に合わせて雨の日のコーディネートを考える楽しみも増えるかもしれませんね。