衣食住、最低限の暮らしができれば十分

多くの方々が、「これはどうしても持っていたい」とは思うものの、「生きる上の必需品とは言えない」ようなもの。それが私には不要です。大して必要でないものはいらないというのは、当たり前のようでもありますが、人にはそれぞれの理想があるので、案外「必需品ではないけれど、あれは持ってみたい」と思うものがあるはずです。また、理想とまではいかなくても、できるだけ体裁のよい生活をしたいと、ほとんどの人が考えていると思います。

私は、そのあたりがどうも違うようです。たとえば衣食住を例にとるとしましょう。衣類なら、時々新調するのが、大雑把に言って普通ですよね。でも、私はそれをしません。

食事
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また、多くの家庭は自炊をしていても調理ずみ食品を使うこともあるのではないでしょうか。私は、調理そのものをなるべくしないものが好みです。素材をゆでるか、焼くだけ。できれば生のままで。なるべく包丁を入れず調味料も加えず、食材そのものの味を味わうことに興味が尽きないのです。そして僧侶が食すような、5椀くらい入れ子の器と箸。できればそういう食事がいいと思っています。

また、高級感のあるマンションか、戸建てに住みたいという願望を持つ方も多いかもしれません。住まいこそ暮らし方と人生プランの理想が反映される場です。でも私は最低限、雨露をしのげる程度の住まいで十分です。しかし、実際それに近い古くて安い団地に住んでいて、さぞ満足でしょうと思いきや、やれ虫が入ってくるだの、壁に結露がたまるだの、隙間風が入るだの、文句タラタラの自分を笑う日々ではありますが。理想に近い住まいになったことは満足しなければいけませんね。

将来のお金のことあるけど、今の暮らしの喜びを見つけたい

ふきん

さて、お金はだれもが必要なものです。これは私も同じです。でも、できれば必要としない生き方がないか、日々探っています。老後資金は2000万円必要だと言われて久しいですが、実際長生きすればするだけお金が必要になってきます。この金額の膨大さは、考えたくはありませんが、しかし、どうにもならなくなれば、身の丈に合った晩年に耐えなければならないのです。その覚悟をしなければいけないでしょうね。

今の暮らし方に集中して、ちょっぴりお金のことに気を配りつつ、しかしお金とは違う日々の小さな喜びを見つけて生きていきたいです。

 

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