80歳からの新しい選択。自分のやりたいことをマイペースに
すべての画像を見る(全4枚)80歳を前にして、多良さんは新しい選択をします。地元の社協(社会福祉協議会)から受けていた仕事を引退し、「障がい児・者の親の会」も若い人にゆだね、相談役のような立場になりました。
まだ体は動きますが、余力をもって次に行こうと思ったのです。これからは、マイペースにピアノ、織物、お菓子づくりなど好きなことをしたい。以前からやっていた趣味ですが、仕事や息子の世話、義両親の介護などがあってお休みすることも多かったので、これからはそちらに時間を使いたいと考えました。
家で好きなことをするだけでなく、自分にできる、周りの人たちへのサポートはしていこうと思っています。近くに住む、ひとり暮らしの高齢の女友達が数人いますが、病院や買い物につき添ったり、マイナンバーカードの申請を一緒にするなど、本人が一人では不安だと思っていることをフォローしています。友達なので、あくまでもボランティアです。
「私自身の勉強にもなるし、友達から逆に知恵をもらうこともあります。だから、お互い様ですね。今後、自分が助けてもらう側になるかもしれません。今は、できる範囲で続けていきたいです」
趣味に、ボランティアに、80代からはマイペースに自分のやりたいことをやる。いろいろな経験をしたからこそ、本当にやりたいことが見えてきたのでしょう。
多良久美子さんの著書『80歳。いよいよこれから私の人生』(すばる舎刊)には、「もうこの年だから」ではなく、「この年だからこそ」に変えるためのヒントが詰まっています。