頼りになるのは「かかりつけの町医者」

かかりつけ医のイメージ
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では、いざ自分が病気になったときに、どうやって病院やお医者さんを選べばいいのかと不安になってしまうところですが、おすすめの方法のひとつはシンプルに「地元で評判のいい町医者の病院に行くこと」。

「大学病院などで働く専門医師ほど、地域に根差した総合診療を行う開業医、いわゆる町医者を『二流、三流だ』と下に見る傾向があります。たしかに、本当に深刻な病気を患った場合は、先進的な治療法を行う専門医に頼るべきかもしれません。ただ、実際に患者の寿命を延ばしているのは、じつは町医者なのです。地元で評判のいい開業医をかかりつけ医にして、仲よくしておくのがよいと私は思っています」

メディアなどで、いい病院ランキングや名医ランキングなどがよく紹介されていますが、その内容をすべて鵜呑みにしてはいけないのだとか。

「これらの情報ソースはどこかというと、大半は医者や病院側が出した情報に基づいています。あくまで医者の価値観に基づいてつくったガイドなので、患者目線でいい医者、いい病院かというと必ずしもそうではない場合も多いです」

 

ランキングでの医者の意見が当てにならない理由

また、こうしたランキングで重視されるのは「施術や治療自体の成功」であることが多く、「治療を受けた患者さんたちが健康に過ごせているか」という視点が抜けているのも問題点のひとつだと和田先生は指摘します。

「たとえば、胃がんの手術をして、胃を三分の二切除した高齢の患者さんがいるとします。手術自体は成功して、がん自体は取り除くことができても、高齢者の場合、手術のせいでガリガリにやせ、体力が戻らず、その後寝たきりになったり、体がヨボヨボになったりする人はかなり多いものです。また、そもそもこれを『手術は成功』したと判断していいのかは議論の余地があります」

医者側からは「胃がんの手術は成功した」と見える場合でも、患者側からは「あの病院は胃がんの手術は大成功ですって誇らしげに公言しているけど、あそこで手術受けてからヨボヨボになってしまった」という声が出てくることも。

「その場限りの手術がうまくいっても、術後に体力や身体機能が落ちて、QOLが下がるケースは非常にたくさんあります。ですから、素人であっても、実際に治療を受けた患者さんの情報の方を当てにする視点を忘れてはいけないのです」

 

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