2.運動する習慣を身につける

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50歳前後で、更年期による心身の変化に悩まされました。ホットフラッシュやのぼせ、手のしびれといった身体症状のほかに気分の落ち込みなどの精神症状もあり、運動するどころではありませんでした。

当時は机上での仕事が中心だったのもあり、加齢によって筋力は衰え、健康的な生活のためには運動が重要と知っていても、体を動かすことがおっくうでした。

しかし、50歳で資格取得のため専門学校に入学し、10代の若者たちと一緒に学生生活をすることに。「もう歳なので…」なんて甘えは通用しません。行動を共にし、刺激を受け、激しい運動は無理でもとりあえず体力づくりのために軽いウォーキングから始めました。

毎日習慣的に運動をしていれば、筋肉量を維持できます。40代後半よりも、今の方が体力があると思います。必要なのは基礎体力。この先の人生を楽しむために健康維持は大切だと実感しています。老後は「学力」や「財力」よりも、「体力」が幸福度を左右すると思いませんか?

3.足るを知る、自分基準で考える

お茶
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歳を重ねるごとにすべて完璧にこなす必要はない、無理しすぎてはダメだとわかってきました。自分ができないことを認めることで、次のステップが見えてくる場合もあります。

だれかに助けてもらったり、そこそこで十分だったり、「こうあるべき」よりも「自分にとってどうあればよいのか」を考えるようになりました。

自分のできないことを認め、できる範囲で人マネではない自分らしい豊かな暮らしを目指す。ない物ねだりはせず今あるものを活用して、自分の特性を活かしワクワクすることを選択しようと決めたのです。

●時間もお金も体力も限られているからこそ、優先順位をつける

「これからの人生で自分がやりたいこと」に優先順位をつけるのもそのひとつ。

選択肢は無限にあるようにも思えるけれど、実際は時間もお金も体力も限られています。自分が本当にやりたいこと、大切にしたいことに力を注ぎたい。

49歳で前職を辞める決断をしたとき、最優先したのは母と自分との生活でした。今までのキャリアや収入を確保しながら母を介護する生活はとても困難で、毎日3時間の通勤時間に加え、仕事上のストレスも溜まり疲れ切っていました。

自分も母もこのままではダメになる。収入がダウンしても今の生活を支えられるだけのお金を稼げるなら、自宅近くで介護しながらでも働きやすい仕事を選択しようと決めました。

会社を辞めるときに「辞められると困る」と言われましたが、仕方ありません。自分勝手に思われることもありますが、自分の心に従い行動した方ががんばれるし満足度も高いと実感しています。

終わりが近づきつつある人生後半戦は今あるものに満足し、自分の心に従って行動していくことにしました。50代手前で「他者評価ではなく、自分基準で考えよう」と考え方をチェンジしました。

人生後半戦をよりよく生きるために

50代はまだまだ現役世代。責任ある立場の人も多く、老後のことは退職後に考えようという方も多いでしょう。自分のことを考える余裕もない生活を送っている人もいらっしゃると思います。

平均寿命は伸び、老後と呼ばれる期間がかなり長くなりました。老後問題が具体的に見え始める50代は、ちょっと立ち止まって、今の自分の歩いている道がどこに向かっているのかを俯瞰してみるのにちょうどよい時期だと思います。

気力も体力もまだあるこの時期に自身の現状と向き合い、やりたいことや今後起こりそうな問題の対処法を考えておけば、多少のことはなんとかなります。

50代で人生の棚卸しをして、よい習慣を身につければ、人生の後半戦をより自分らしく生き抜くことができるのではないでしょうか。少し立ち止まって自分と向き合う時間をつくってみたら、きっとなにか発見があると思いますよ。

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