整理上手な70代母でも苦労した「実家の片づけ」が完了。意外な成功ルール4つ

空っぽ
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2021年末にひとり暮らしをしていた母が急遽入院し、その後介護施設へ入居したことで始まった実家の片づけ。

少しずつ片づけてきて、とうとう実家はなにも状態になりました。さかのぼってみると父が亡くなったあとの2015年から父の遺品整理と母の生前整理を行ってきました。
今回はそのときのことも含めて、「実家の片づけ」について振り返りたいと思います。

1:母のやる気があった時期は、「捨てなよ」と強要しない

当初は母のやる気があって順調に進みました。父の遺品整理が中心だったので、義務感が原動力になっていたのかもしれません。
ただこのときの母は60代後半で体力の回復が遅くなっていたし、私は実家に住んでいるわけではないので、次のことを心がけました。

<心がけたこと>
(1)「いる、いらない」などの判断は母。物を運んだり体を動かすのは私。
(2)否定やダメ出しなど、ケンカになるようなことはしない。
(3)「いらないよね」「捨てなよ」と強要しない。

とくに(3)の言葉はNGワードでもあります。親子に限らず夫婦間でも、相手の価値観での判断を押しつけられるのはイヤなこと。あくまでも主役はその家に住まう母。私はサポート役に徹しました。

2:母が病気になり体力がなくなってきた時期は「安全」を優先

病気をきっかけに母の体調や気分が優れない日が増えてきて、「だからこそ早く片づけてほしい」と思う気持ちと、「無理をさせたらいけないという気持ち」の間で揺れ動いた時期でした。

<心がけたこと>
(1)貴重品や重要書類の整理を整頓を最優先。
(2)「捨てる」「減らす」より「体への負担が少ない」「安全」を優先。
(3)少し疲れたかな? という程度でやめる。余力を多めに残す。

私から見るともっと片づけた方がいいのではと思うところもありましたが、母はそこまで望んでいません。
「母のため」と言いながら、「いつか最終的な片づけをすることになる自分のため」というエゴが先走らないように、「母が多くを過ごすスペースが安全であればそれでいい。BESTよりGOOD」と割りきりました。

キッチンペーパー

踏み台を使わないと届かないキッチン上の収納は、処分や移動をして空っぽにしました。

3:施設に入居した母の「うれしかった言葉」

その後コロナ禍になり片づけが中断したまま母は施設に入居し、実家の片づけは「家じまい」に向けて私がひとりでやることになりました。

当初は母が洋服や日用品の不足分を取りに戻ってくる可能性があったので、それらをすぐ取れるように収納し直し。実際に母が荷物を取りに戻ったあとで、電話でこう伝えてくれました。

「一か所にまとまっていたので動きまわらなくてすんでラクだった」
「キレイに収納されていたからすぐ見つけられた。」
「こうしておけばよかった」

それを聞いてとてもうれしかったです。母が病気になった時点でこの状態まで片づけられていたら、もっと体への負担が少なくラクに過ごせていただろうなと複雑な気持ちもありましたが、それでも片づけてよかったと思えました。

消耗品

キッチンの消耗品は整理して4段の引出しにキレイに収納しました。

数か所に分散していた洋服もひとまとめに。アイテムごとに引出しに収納し、ラベリングをしました。

4:高齢者宅の片づけは「より快適に生きるため」に

片づけの仕事をしていて高齢者の場合、このような問題があると感じています。

・片づけようにも片づける体力がない。日々暮らすだけでやっと。
・人に家に入られることを嫌がる。
・場所が移動すると新しい場所を覚えられず、むしろ混乱する。
・子ども世代と価値観が違う。
・そもそも片づける必要があると思っていない。

子どもはよかれと思っても、親が片づけを拒否したらそれ以上は強く言えません。ただ母の口からも出たように、片づけると暮らしはラクになり生きやすくなります。

片づけを「自分のもしものときと向き合うこと」と捉えてしまうと、怖かったり悲しかったりでやる気が起きないでしょうが、そうではなく「より快適に生きるために」と捉えて、できるだけ病気や体に不自由が出る前にスタートさせてほしいと思います。

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