病気になって気がついたのは、揺るがない夫への信頼

夫と「しない」生活になってからも5年。夫婦関係にはどのような変化があったのかも聞いてみました。

「夫は“誠実”という言葉がぴったりな人。絶対的な信頼感があって、結婚しました。それは今も変わりません。だから行為がなくても、浮気とか女性問題で悩まされる心配はなくて、そこはよかったなと思っています」と里香さん。

「けれど、家で夫と共有で使っているパソコンがあるんですけれど、履歴にそういう動画の検索を見つけてしまったんです。あぁ、私とできないから一人でしたんだなと思ったらかわいそうになってしまいました」

●お互いに分かっているから隠さなくなった

ネット
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ネットを見ながら処理している夫に対して、どのような感情を持ちましたか? と聞くと、「手を出さなくなったので、あぁ、気遣ってくれているんだなと思うと申し訳ない気持ちもあります。けれど、『パパ、パソコン閉じるときは見られたくないものをちゃんと消してからにしてね』とダイレクトに言っちゃいました。そしたら向こうは『はーい』って明るく返事をしてましたが、私が分かっていると知ったからか、いろいろ隠さなくなりましたね」と意外なほど明るい反応の里香さん。

ひとりで処理をして、不満もこぼさない夫に対して、行為はできないながらも、手をつないだりハグをしたりと、スキンシップを多めにとるようにし始めたそう。

●SNSで同じ境遇の人たちと励まし合う

現在はすでに3人目の子づくりを諦め、体調回復のため治療に専念しているという里香さん。不妊治療をストップした現在も、食事をしっかりとれず、1日1000カロリーすら摂取できません。

「うちは夫と男の子2人という男所帯だから、普段の食事もガッツリ系メニューが多いんです。そうすると私は食べられないので別メニュー。でも子どもたちが『お母さん、
このエビフライおいしいよ、一口食べてみる?』と言ってくれたりして、ちょっとだけ食べて『おいしいね』って。そんな様子を見ながら、夫も以前のように無理に『食べろ、食べろ』とは言わなくなりました。家族みんなが『食べられるときに、食べられるものを食べればいいよ』っていうスタンスに変わったら、プレッシャーも減ってきて。そういう体験談をSNSで同じ病気で悩んでいる人たちのコミュニティでシェアしたりして、励まし合っています」

●夫のそばにいるだけでポジティブになれる

家族

食欲がゼロになったのと同時に、性欲までなくなってしまった里香さんでしたが、5年の闘病を経て、夫との絆は深まったと感じているそう。

「夫は、自由気ままでマイペースな人。お金も大切にする人なので、一緒にいて安心感があります。それとすごくポジティブ。海外の長期出張で離れて暮らしたときは本当につらかったけれど、今は一緒にいられるし、そばにいると、あのポジティブさに引っ張られて、私もプラス思考でいられるんです。この病気はストレスが引き金だったから、夫の出張が減った今、体をしっかり治せたらいいなと思っています。行為は体がしっかり治ってから。その次の段階にどうなるのかはまだわからないけれど、今は家族みんなで笑って暮らせることを大切にしたいです」

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