50代は自分の老後への不安に加えて、高齢親の介護の問題も出てくるなど、悩みは尽きないもの。築50年越えの団地で日々節約や時短、インテリアの工夫を楽しみながらひとり暮らしをする54歳のブロガー・きんのさんも、同じ団地の別の部屋に暮らす80代の母親を介護しています。
ここでは、きんのさんの著書『54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし』(扶桑社)より、団地への転居をきっかけに50代で介護の資格を取り、現在も介護士として働くきんのさんが、80代の母親の介護を通して感じたことをご紹介します。
54歳、団地暮らし。高齢親の介護は「お互いさまがいい」
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介護について勉強することは老後の不安を減らすことにつながるはずという思いもあり、介護の道に進みました。専門学校で学んだことは介護技術だけではありません。介護する人・される人の気持ちに寄り添って心をラクにする対応や、その人らしさを大切にすること。また、社会全体で高齢者を見守る、支えるという視点を知りました。
●頼れるものは頼って助けを求めることでラクになる
母の認知機能が衰え始めたとき、ためらわず地域包括支援センターに相談できたのも学校で学んだおかげ。ひとりで抱え込みすぎて介護虐待や介護殺人につながる事例も多くあり、頼れるものは頼って助けを求めることで、介護される人もする人もラクになると知ったのです。
母の場合は本人が納得するまで時間がかかり、介護認定がなかなか受けられずやきもきしましたが、今は週2回のデイサービスと週1回の訪問介護を利用しています。