おひとりさまの手間いらずな「ケチ」ご飯

美術エッセイストとして活躍中の小笠原洋子さんは、高齢者向けの3DK団地でひとり暮らしをしています。ケチカロジー」という言葉を生み出し発信してきた小笠原さんの、お金をかけない「食事の工夫」について教えてもらいました。

●外食はささやかなグルメ、おうち食は栄養優先に

キッチンに立つ小笠原さん
73歳、小笠原さんの「おひとりさまご飯」のモットーは?
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私は、そもそも料理下手であり、おいしいものは人につくってもらうものだと思っています。しかしケチの身に外食は危険。それでも「駅そば」やスーパーなどの「イートインコーナー」では、案外ケチをねぎらう安らぎのスペースがあるものです。そこを見つけて入るのが、ケチ外食のテクニックですね。

月に一、二度私はささやかなグルメを楽しみに生きていますので、「おうち食」は美味の追求ではなく栄養優先です。翌日の献立を考えメモしておくのが日課です。献立といっても、料理とはいえない食事なので厳密には不適切用語なので、食品に敬意を表して御の字をつけたとしても「御餌」でしょうか(笑)。

小笠原さんの料理

たとえばある日は、新タマネギの挽肉あえ。翌日は豚小間としらたき煮に、酢とゴマ油がけのお豆腐。つづくはサバ缶とレタスあえ…など。三大栄養素に配慮しつつ最低限の食材と調理法に徹します。

最低限とは、買いに行かずに当日冷蔵庫に入っているものをアレンジすること。ほとんど調味料は入れないで、素地の味を探求することです。

記事の初出は2023年5月。内容は執筆時の状況です。

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70代、「3食手づくり」は手放した

高齢者向けのサービスつき住宅(分譲マンション)にお住いの70代の真藤眞榮さん。現在、家事は手の届く範囲で丁寧にしつつ、最小限にとどめているそうで、食事づくりにも変化が。

●3食きっちりつくるのやめました

真藤さんのとある日の食事

「3食きっちりつくらなきゃ、と自分に課すのはやめました」と話す真藤さん。マンションの食堂を利用したり、自作のつくりおき副菜ですませることも。
「最近は節約も兼ねて、自炊の割合を増やしています」

●テイクアウトもお皿に移して楽しむ

真藤さんがテイクアウトしたもの

入居時はコロナ初期で、食堂の料理はパックづめをテイクアウトする形式。
「そんなときも、お気に入りのお皿に移し替えて、目からも楽しんで食べていました」

記事の初出は2023年8月。内容は執筆時の状況です。

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