日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「夫をもう男としては見られないです」と語るのは主婦の貴代さん(仮名・47歳)。仲がよかった夫婦がすれ違ってしまったきっかけとは? 普通の主婦がマッチングアプリで出会いを求めることになるまでのお話です。
すべての画像を見る(全4枚)レス夫婦が話し合いをするにはもう遅すぎた
夫が単身赴任になり、夫婦らしい会話が激減。そんなときに、夜のお店の女性からの名刺を家の駐車場で拾ってしまった貴代さん。その時点で夫への感情が“無”になったと話す貴代さん。
●夫の浮気で、妻が本当に怒っていたこと
「浮気の相手とはお店で会っているだけでなく、プライベートでホテルにも出かけている雰囲気がにおわされていますが、そのことに対して本当になにも思わなかったのですか?」と聞くと、貴代さんは「怒ってはいましたよ!」と即答。
「あの名刺、拾ったのがたまたま私だったからよかったけれど、子どもが拾って読んじゃったらどうするんだ! という意味の怒りはありました。家の敷地内の駐車場にポーンと落ちていたんですもの。嫉妬とか悲しいとか、浮気して怒ってるとか、そういう感情はないけれど、こんなもの不用意に落としてんじゃないわよ! って、そっち方面の怒りは強かったです。子どもが見なくてよかったとは心底思いました」
●時すでに遅し。夫が関係の修復を願った頃には…
夫の女性問題が発覚して数か月。何事もなかったかのように過ごしていた貴代さん夫婦でしたが、子どもが寝静まったある晩、夫から「僕たち、昔とは違う関係になってしまったのかな。戻れないのかな」ときり出されたといいます。
「もうなにもかも遅すぎた気がしました。話し合いをして解決できるようなフェーズはとっくに過ぎていて…。夫に『今のままでいいと思ってるの? 僕はお金だけ稼いでくればいい存在みたい』と直球で本音を吐露されたのですが、私は『うん。これでいいよ。子どものためにもお金は必要。離婚する気はないし、今まで通り、たまに帰ってきてくれたときに3人で食事でもいければ、私はそれでいい』と真顔で答えるしかありませんでした。それが本心でしたから」
●だれにも言えずに抱え込んでいた積年の我慢
「もしも夫の単身赴任直後、まだ女性問題が浮上する前にこの話し合いがもたれていたら、違う答えでしたか?」と聞くと貴代さんは「そうですね。あのころだったら、昔みたいに戻れたかも」と少し切なげ。
「結局、仕事だからって割りきったふりをしていても、夫が単身赴任をすることも、接待で夜のお店にいくことも、私は全部嫌だったんです。本音を言えないまま我慢の糸がきれてしまいました」
この話し合い以降、10年以上が経った今も夫とはレスのままだといいます。