●アメリカ人はテレビでなにを観る?

アメリカの2大スポーツと言えば、アメフトとバスケットボールです。

アメフト
(※画像イメージです。画像素材:PIXTA)
すべての画像を見る(全6枚)

とくにアメフトは絶大な人気を誇り、自分の推しチームだけでなく、全チームの試合をチェックするほどの熱烈なファンが少なくありません。

NFLのプロリーグはもちろん、大学アメフトもテレビ中継されています。そのため、8月から2月までのアメフトのシーズン中、夫はテレビにかじりつきで見向きもされない妻が続出。まるで夫に先立たれた未亡人、ということで「アメフト未亡人(football widow)」なる悲しい言葉まで存在します。

もっとも高視聴率を稼ぎ、放映中は街から人が消えることで有名なのが、「スーパーボウル」と呼ばれるNFLのプロリーグ決勝戦。大手企業はCM獲得に争奪戦となり、開会式での国歌斉唱や、前半戦と後半戦の間のハーフタイムショーには超大物ゲストが招かれ、最高のパフォーマンスで全米の視聴者を虜に。

ハーフタイムの歴代アーティストを挙げれば、エミネム、スヌープ・ドッグ、ジェニファー・ロペス、マルーン5、ジャスティン・ティンバーレイク、レディー・ガガ、ビヨンセ、ケイティ・ペリー、ブルーノ・マーズ、マドンナ、プリンス、ローリング・ストーンズ、ポール・マッカートニー、ジャネット・ジャクソンと、豪華そのもの。2024年はラスベガスでの開催が決まっています。2023年のハーフタイムは歌姫のリアーナが妊娠発表のサプライズで盛り上げましたが、来年はだれが選ばれるのか注目が集まります。

一方で今年の春、決勝戦の最後に「侍ジャパン」の大谷選手がチームメイトのマイク・トラウト選手を仕留めてアメリカに勝ち、日本中が沸いたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)はどうだったのでしょう。アメリカでもWBC史上最高の448万人視聴を達成しました。ですが、2023年のスーパーボウルが1億1510万人視聴だったことを考えると、レベルは桁違い。テレビ以外の全プラットフォームを合わせると2億人視聴、つまり視聴率60%になる計算だとか。スゴすぎます…。

球場

ちなみに、私の住むシアトルで今夏、MLBオールスターゲームが開催され、大谷選手が出場するということで日本でも話題になりました。日本では試合のテレビ中継まであり、連日のニュースで目にするフィーバーぶりでしたが、シアトルに残っていた夫に聞くと、「ああ、そう言えば、球場のほうで花火が上がっていたような…」くらいの薄い反応(苦笑)。

パイク・プレイス・マーケット

実際には、シアトル随一の観光名所であるパイク・プレイス・マーケット(スターバックス1号店で有名)でのレッドカーペットショーなど、試合までにさまざまなイベントが行われ、シアトルの街もそれなりにがんばって盛り上げていたはずなのですが、あくまで「野球ファン」限定かも? アメリカでも地域や世代によりますが、近年は野球よりアイスホッケーやサッカー、という人も増えてきています。