●子育てを卒業後、乗馬をスタート。年齢や性別を問わず挑戦できるのが魅力
すべての画像を見る(全5枚)――1974年に女優デビューして以来、約50年近く、第一線で活躍中。今、忙しい日々の中で大事にしている時間は、「馬に乗るひととき」とも言います。
原田:乗馬を始めたきっかけは、映画の撮影でした。馬に乗って走るシーンがあって、事前に3回ほど練習をしたんですけれども、本番では、乗りこなすレベルにはとても到達できなくて。こういうことって、時間をかけないとできないのだなと痛感しました。
――ちょうどその頃、お子さんたちの子育てがひと段落したのも、よいタイミングだったとか。
原田:自分の自由になる時間が増え、体を動かしたいとも思っていた時期でした。そこからコツコツと馬に乗る時間をつくり…。今では、本当に小さいのですが、大会にも出場しています。
乗馬のよいところは、動物と一緒に出来る唯一のスポーツであること。馬と私とのタイミングが合うと、なんとも言えない爽快感があります。馬は賢く、しかもいろんな性格の子がいて、愛おしいですね。もしかしたら彼らは、私のことを“リンゴやニンジンをくれるおばさん”としか思っていないかもしれませんが(笑)。
それから、年齢や性別を問わずに挑戦できるのも乗馬のいいところですね。前に競技大会で4位を取ったことがあるのですが、3位は、小学生の男の子でした。とてもかわいかったけれど、同時に『彼に負けてしまって悔しい~!』という思いも芽生えました(笑)。そうやって、色んな垣根を超えて楽しめる生涯スポーツなので、あと10年ぐらいは、続けていこうと思っています。
●肩ひじを張らなくていい、と思えるように
――60代を超えた今、女優としても新たな景色が見えるようになってきたそう。
原田:60代に入るまでは、与えられたトラックを全力疾走していたような感覚がありました。でも最近は、メイントラックから少し外に出て、全体を俯瞰して見られるような余裕が出ています。お仕事の現場で若い方々から刺激を受けつつも『がんばってるね』、『そこを抜けたら、また楽しいことがあるよ』と、言ってあげたい気持ちでいっぱい。肩ひじ張らなくても大丈夫よ、って。…と感じられるのも、プライベートで母親を看送ったり、人生の最終コーナーから逆算して、生きることを眺められるようになってきたからかもしれません。
●年齢を重ねるのは楽しいこと
――「そんな今の自分も、10年後に振り返ったら“まだまだコドモ”かもしれませんね」と、チャーミングに笑う姿は、ますます魅力的です。
原田:若い頃は、年を取るって、つまらないことだと思っていました。でも実際に年齢を重ねていくと、そんなことはまったくない。次々と見える場所が変わってきて、おもしろいことや新たな発見の連続だったりします。
<公演情報>
PARCO劇場50周年記念シリーズ「桜の園」
作=アントン・チェーホフ
英語版=サイモン・スティーヴンス
翻訳=広田敦郎
演出=ショーン・ホームズ
8月7日(月)~8月29日(火)PARCO劇場始め、宮城、広島、愛知、大阪、高知、福岡など各地での公演予定あり
チェーホフの不朽の名作を気鋭の演出家、ショーン・ホームズによって上演する話題作。ヒロインの女主人・ラネーフスカヤを演じる原田さんを始め、彼女を慕う実業家役に八島智人さん、ラネーフスカヤの娘に影響を与える学生役に成河さん、養女役に安藤玉恵さんなど、豪華なキャスト陣にも注目。
衣装:ブラウス¥93500(セブンティ ヴェネツィア)、スカート¥62700(アルファ ストゥディオ)/ともにサン・フレール ピアス¥165000、リング(薬指)¥462000(シンティランテ)、イヤーカフ¥82500、リング(人さし指)¥253000(レスピロ バイ シンティランテ)/すべてイセタン サローネ東京ミッドタウン シューズ/スタイリスト私物
問い合わせ先:サン・フレール 03-3265-0251
イセタン サローネ東京ミッドタウン 03-6434-7975