風邪やインフルエンザが大流行中です。ここでは、健康のプロである医師の石原新菜さん、目白鍼灸院院長の柳本真弓さん、管理栄養士・料理研究家の牧野直子さんに、体を温め、免疫力をアップするコツを伺いました。
冷えは万病の元。体を温めて病気を寄せつけない体になるコツ
体が冷えると血の巡りが悪くなって免疫力も下がってしまうもの。病気に勝ちたいなら、体をしっかり温めて免疫力を高めて!
●筋肉運動をする
すべての画像を見る(全10枚)体温の約4割は筋肉が生み出すので、運動をして筋肉を鍛えると体の中から温まって冷え予防に。
「といっても軽い運動でOK。家事の合間にスクワットを30回したり、買い物ついでに20分歩いたりと、ながら筋肉運動でトライを」(石原さん)
●ひじ・ひざの内側をもむ
手足が冷えると血圧が上がり、興奮や緊張モードになる交感神経が優位になってよく眠れず、免疫力もダウン。
「そんなときは、ひじやひざの内側をもんだり、たたいたりすると手足の先まで温まります。寝る前にぜひやってみて」(柳本さん)
●指先をもむ
「手指には頭や精神のツボが多く、もむと血流がよくなってリラックスでき、寝つきもスムーズ。指先の十じゅっ宣せん、指と指の股の部分の八はち邪じゃ、爪の周り、指の側面をもみましょう」(柳本さん)
ハンドクリームを塗りながらもめば手荒れ解消にもなり、一石二鳥。
●カイロで3点を温める
体を手っ取り早く温められるのがカイロ。
「カイロで温めるのにおすすめな部位は、おなか、仙骨(おしり上部中央の逆三角形の骨)、左右の肩甲骨の間の3点。ここを温めると全身がぽかぽかに。3点同時に温めても、1か所だけでもOKです」(石原さん)
●寒けがしたら、大椎を温める
風邪のひき始めの寒けがしたときに効果的なツボが「大椎(だいつい)」。
「首を前に曲げたとき首の後ろにボコッと飛び出る骨の下のくぼみが大椎。寒けを感じたらここをこすったり、やや熱めのシャワーを当てたりして少し赤みが出るまで温めて。風邪予防になりますよ」(柳本さん)
●お灸をする
お灸は温め作用はもちろん、白血球の働きを活発にして免疫力を高める効果があるといわれています。
「冷えを感じる部位など好みの場所でOKです」(柳本さん)
火気とやけどに注意して行いましょう。
●お風呂は肩まで5分以上浸かる
体を芯から温めるにはシャワーですませず、湯船に浸かることが大切。
「40~41℃程度のお湯に肩まで5分以上入ると汗が出てくるはず。こうなったら体温が上がった証拠。最低でも5分は浸かって体を温めましょう」(石原さん)
●服装はこたつファッションに
ポイントは“頭寒足熱(ずかんそくねつ)”。
「上半身はカーディガンなど脱ぎ着しやすい服を着て、下半身は“コタツ”のイメージで、腹巻きやレギンス、靴下などでしっかり温めましょう。血流が悪くなりがちな下半身の冷えは、とくに要注意ですよ」(石原さん)
食べ物・飲み物で体を内側から温める!
●シナモンで体を温める
「シナモンには血流をよくして体を温める効果が。スティックなら紅茶などに入れて、パウダーならトーストなどにトッピングすれば手軽にとれますよ」(牧野さん)
唐辛子やカレー粉などのスパイスにも温め効果アリ。
●ショウガを食べる
温め効果のあるショウガには、抗ウイルス効果も!
「紅茶に入れたり、酢ショウガやショウガはちみつのつくりおきもおすすめ。冷ややっこに酢ショウガをかけたり、ヨーグルトにショウガはちみつをのせるとおいしいですよ」(石原さん)
・酢ショウガ
煮沸消毒した耐熱保存容器に、ショウガ(皮つき)のみじん切り100g、酢1カップ、はちみつ大さじ1を入れて混ぜる。冷蔵庫で10日ほど保存可。摂取量の目安は1日30g。
・ショウガはちみつ
沸騰消毒した耐熱保存容器に、ショウガ(皮つき)の薄切り100gとはちみつ200gを入れて混ぜ、冷蔵庫でひと晩おく。冷蔵庫で1か月ほど保存可。摂取量の目安は1日大さじ1~2。