●4:加齢でトイレの回数が増えるのは異常ではありません
夜中にトイレで起きる回数が増えて、ひそかに悩んでいる人はいませんか? これも睡眠不足の原因に。櫻井さんによれば、「夜中にトイレに起きてしまうのは、歳をとってくればある程度は仕方がないことです。もちろん寝不足でつらくなるほどであれば、専門家に相談し薬を使って対策する手もあります。ですが、1、2度起きても、その後またパタッと寝ついたり、朝ぐっすり眠れたという感覚があれば、あまり神経質になる必要はありません」とのことです。
すべての画像を見る(全5枚)「中医学では、頻尿には体の“腎(じん)”と言う臓腑の衰えが関係していると考えます。腎は、精力や生命エネルギーをつくり出す臓腑で、加齢に伴って弱っていきます。そして、足腰が弱くなる、白髪が生える、記憶力が落ちるなど、様々な老化現象を引き起こします。また腎は、体内の水分代謝の中心的な役割も担っているので、それがうまく働かなくなると排尿のトラブルにつながるのです。腎が衰えると、摂取した水分を体の中に潤いとしてキープできなくなり、ほとんどが尿として排出されるため、頻尿になるのです」
ですから、加齢と共にトイレの回数が増えるのは、当たり前といえば当たり前のことなのです。
●5:頻尿には豆類、サツマイモ、クルミがおすすめ
症状を改善したい場合、日常生活でなにかできることはありますか?
「腎を元気にする食材を積極的に摂ってみましょう。たとえば、栗、黒豆、枝豆などの豆類、サツマイモ、クルミ、松の実、カシューナッツなどです。ほかの老化現象が気になる場合にもおすすめです」
また、30代、40代なのに夜中に何度もトイレに起きてしまうという人は、そもそも水分の摂りすぎ疑惑が。
「私の感覚では、1日のトイレの回数は24時間で8回位が目安になります。ですから、30代、40代でその回数が10回を超えるという人は、単純に水分を摂りすぎている可能性が濃厚です。1日に水を2L以上飲もうとしていませんか? コーヒーやお茶を常にデスクに置いて、ひっきりなしに飲んでいませんか? 食事中に水をがぶがぶ飲んでいませんか? 心当たりがある人は、まずは冷たいものを飲むのをやめましょう。それでも続くようなら意識的に水分摂取を控えて、どうしても喉が渇いたときに温かいものをひと口飲む、という風にしてみましょう」
それでトイレの回数が減るなら、頻尿の原因は水分の摂りすぎだそうです。それでも改善しない場合は、体を根本的に冷やしてしまっていることも考えられます。
「飲み物も食べ物も冷たいものは控える、体を冷やすファッションは避ける、などを意識してみてください。また、ニラ、エビ、鮭などの体を温める食材を意識して取りましょう」
病気にならない食う寝る養生:予約の取れない漢方家が教える
結局、「食べて寝る」のが最強の健康法! 予約の取れない人気漢方家・櫻井大典さんが、不調を改善して病気にならないための、食事と睡眠の新常識を教えます。「水を1日2リットル」「朝食に野菜サラダとヨーグルト」「主食は玄米」「一年中、決まった時間に起きる」「ぐっすり昼寝する」…それ全部、“あなたには”合いません!