ライフスタイルに大きな変化をもたらす「出産」。出産方法や制度など、国によってさまざまな違いがあるかと思いますが、アメリカではどうなっているのでしょうか? そこで今回は、アメリカ・シアトルに住んで十数年、子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、「アメリカの出産事情」について教えてもらいました。

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 アメリカでは、立ち会い出産が基本

妊婦と夫
国によってさまざまな違いがある出産(※画像はイメージです)
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いよいよ今年も終わりに近づいていますね。2022年は米メジャーリーグ、シカゴ・カブスで活躍する鈴木誠也選手が、第1子誕生を前に「父親リスト」に入って、立ち会いのために一時帰国したニュースが日本でトレンド入りするなど話題を集めました。

確かに、アメリカではメジャーリーグに限らず、立ち会い出産が基本です。そのために仕事を休むのが当たり前なので、わざわざ上司にお伺いを立てるまでもないし、むしろ会社を休まなければ周りから白い目で見られることでしょう。

出産も育児もパパとママの共同作業。男女が何事も対等であることが意識される社会なので、「あくまでふたりで行うもの」という認識がしっかり定着している印象です。男性も立ち会い出産するかしないかとか、悩まずに行動するのみ。ちょっと育児に協力的なくらいで「イクメン」などと持ち上げられて喜んでいると、アメリカ人女性に怒られます。ましてや夫やパートナーがいるのに「ワンオペ育児」なんて、アメリカ人女性からしたら言語道断です。

●無痛分娩ほか、多様な選択肢がある

出産
(※画像はイメージです)

アメリカの病院では事前に、立ち会い出産のほか、計画分娩、陣痛促進剤、人工吸引、帝王切開、無痛分娩など、出産時の希望、要望を細かく伝えられます。この計画書を「バースプラン」と呼びます。

無痛分娩はアメリカではかなり一般的なようです。私もすんなりと希望が通り、あっけないほどでした。実際、陣痛に耐えに耐えたあとに麻酔の注射を打ってもらうと、それまでの苦しみがうそのように快適そのもの! 出産までは長丁場となりますが、手持ちのボタンを押して10分おきに自分で麻酔を少したすこともできました。これは本当に選んで大正解。

また、個人的に選んでよかったのは「カンガルーケア」という、生まれたての赤ちゃんをおなかの上にのせてもらう、ママと赤ちゃんのための時間です。パパの「へその緒カット」も、うちはパスしたのですが、人気の儀式だそうですよ。