CASE2.庭の緑と建物がほどよく溶け合う
●高木さんの家 神奈川県 設計/トトモニ 撮影/滝浦 哲
すべての画像を見る(全9枚)自然に囲まれた5mの擁壁の上に建つのは、建築家の高木さんの家。「周囲に圧迫感を与えないよう、住まいは森の中にたたずむイメージを心掛けました」と高木さん。
そこで外観は、地面に近くなるように軒を深く取り、2階建てながら玄関は平屋のようなたたずまいに。外壁は、素材感や自然界の色を大切にして、人の手による素朴な質感がやさしいリシン掻き落としを採用して、アースカラーのベージュを選択。
「植栽も環境に合う植物が育ち、鳥や虫によって新しい種類が増えます。そして虫の巣や卵が外壁に自然とついていく。『それもよし』と思う大らかさによって、建物は環境の一部になります」(高木さん)。
2階ルーフバルコニーから眺めた外観。外壁は、左官職人がコテで塗り、乾く前にブラシなどでこすって表面に表情をつけたリシン掻き落とし。屋根は耐久性とコストパフォーマンスに加え、トップライトとの納まりを考えてガルバリウム鋼板を採用。
「温かく人を迎え入れる色」として選んだベージュ色の外壁が、周囲の自然や雑木林のような庭になじみます。