自宅の自転車置き場がびしょびしょだと、通勤やお出かけのモチベーションが下がります。1年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた日刊住まいライターは、これを防ごうと、家づくりでしっかりとプランを練ったつもりでした。しかし実際は、設置した屋根が役に立たず、リカバリーのための工事もままならないことが判明。自転車置き場をプランするうえで参考になる、後悔したポイントを語ります。
すべての画像を見る(全11枚)自転車生活が快適になる家づくりを目指す
筆者は夫、長男(7歳)、二男(6歳)の4人暮らし。1年前、ハウスメーカーによる家づくりをしています。家族の自転車の使用頻度がとても高いこともあり、将来を考えて、玄関横に大人用の自転車が4台駐車できる自転車置き場を設置しました。
その際、「自転車が雨ざらしにならないこと」「雨に濡れることなく、自転車置き場にアクセスできること」をハウスメーカーに要望。設計士と相談し、最終的に自転車置き場には斜めの短い屋根をつけました。建物全体のデザインバランスを考えると、その選択がもっとも美しく見えるからです。
ちなみにわが家は注文住宅。屋根の位置や長さは設計段階なら、自由に変えることができました。
四角い箱を重ねたようなイメージのわが家の外観。正面から眺めると、自転車置き場の屋根が隠れていて、デザインのジャマになっていません。
自転車置き場の屋根の軒先の長さは91cm。これに加えて、玄関上の2階部分も屋根のような役目を果たし、約自転車1台(156.5cm)の奥行き分、その上部がカバーされるようになっています。
ハウスメーカーから外構デザインのイメージ図を見せられたときは、筆者もひと目で気に入りました。便利そうだし、見た目もいい。そのときは、だれもがそう思っていたのです…。
屋根が高すぎた!吹き込む雨が容赦なく自転車を濡らす
しかし、実際に暮らしてみたところ、この屋根がほぼ役に立たないことがわかりました。これは雨上がりの様子。自転車も地面もがっつり濡れています…。
その理由は、高すぎる屋根。風で吹き込んでくる雨を、まったく防いでくれないのです。
もしも屋根をもっと低くするか、あるいは軒先をもっと長くしてれば、結果は変わっていたかもしれません。見た目を優先したことが、思わぬ結果に…。
おかげで、雨の日となると、自転車通勤している夫はとても憂鬱に。筆者も、いざ乗ろうと思ったら、自転車が濡れていて使えず、ということも。自転車も傷んでしまうし、実用性にとても不満がでてきました。
保証を残すには、外壁に手を加えずに外構工事する必要が
暮らして早々、なんとかしたくて、ハウスメーカーの3か月点検の際に相談。早速、外構業者を紹介してもらい、打ち合わせをすることに。その結果、筆者は驚くことを知るのです。
それは、「あとから外壁になにかを取りつけると、ZEHや長期優良住宅の保証がなくなってしまう」ということ。
わが家には、ZEHや長期優良住宅の保証がついています。審査を受ける際に、間取りや構造に関する情報を、ハウスメーカー経由で事業者と行政へ提出しました。そのため、あとづけすると条件が変わってしまい、保証がはずれる可能性があるそう。もちろん、再審査の手続きも必要です。
つまり、保証を残すためには「外壁にクギ打ちはできない」ということ。
ということで、問題解決のために外構工事をするなら、独立型のテラス屋根(建物にネジ止めしない独立型ルーフ)を設置するしかないという結論に。
業者から提案されたのは3タイプ。すべて2本の柱で屋根を支えます。うち1つはサイクルポート(写真中央)というもの。残りの2つのはテラスタイプで、しっかりした2本のT字型の柱の上に屋根をつけるものです。費用については、屋根部分の素材によるそうで、約21〜27万円かかるとのこと。
もし工事をするとなると、土間の一部のコンクリートをはがしての作業に。その部分だけ、色がほかの部分と変わってしまうことも判明。また、工事したコンクリート部分にはクラックが生じやすいとも言われました。
工事をしたあとのイメージがこちら。右側が工事後の様子で、緑で描かれている部分が、工事によって追加される屋根と柱になります。なんだか、玄関に圧迫感が。建物との調和もイマイチ…。
費用、コンクリートの問題、見た目…。こうしたデメリットを考慮し、悩んだ末に、工事はやめることにしました。