●コロナ禍でだれもが「生活の当事者」になった
すべての画像を見る(全7枚)尾崎:コロナ禍でだれもが自宅で過ごす時間が増えて、夫が四六時中家にいることで、むしろ「家事負担が増えた」という妻側の声もありますよね。その一方で、夫は生活の実態を目の当たりにするようになって、「家事の分担や節約の意識も芽生えた」という側面もあるかもしれません。一昔前の「仕事人間」みたいな方は減ってるかもしれませんよね。
原田:今、資産形成や投資に興味のある人の間ですごく流行っているのがFIRE(経済的に自立しながら早期リタイアすること)ですよね。若い時代に精いっぱい働き、節約や投資でお金を増やして老後に備え、元気なうちに引退して人生を楽しむ。みんなそんなにお勤めが辛いのかしら? と思うほど、FIREしたがっている人は多いですね。
尾崎:そんなにFIREしたい人が多いっていうことは、家族との時間をもっと大事にしたい人が増えたということでしょうか。仕事は引退できても家事は一生続くんだから、リタイア後、ちゃんと家事を分担してくれたらいいですけどね(笑)
原田:『財布は踊る』の主人公は自分の力でお金を得るようになったことで、生き方を考え直します。その決断が正解だったのかどうかはわかりませんが、少なくともお金が人生に与える影響は決して小さくないんだというのは確かですよね。
尾崎:今回は色んな登場人物が出てきますから、読む人がどのキャラクターに自分を当てはめてもいい。「自分ならどうするかな?」と考えるきっかけになる作品ですね。
原田:そう言っていただけるとうれしいです。
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