ものづくりが好きなIさん夫妻は、念願のマイホームを実現。無垢材の床や漆喰壁に包まれた住まいで暮らしています。設計・施工は埼玉県川口市に本社を置く、ますいいリビングカンパニー。二人三脚で「自分たちも家づくりが楽しめるセルフビルド」に挑戦。その醍醐味や住まいの魅力を紹介します。

リビング
無垢材の床や漆喰壁…、自然素材に包まれたリビング。無双窓、薪ストーブなど、随所にこだわりが
すべての画像を見る(全21枚)

セルフビルドで実現!自分らしい自然素材に包まれた家

くつろぐ家族

無垢材の床や漆喰壁など、自然素材が心地よいI邸。リビングの大開口やオーダーメイドの無双窓、薪ストーブなど、こだわりが随所に込められています。

その最たるものがセルフビルド。壁や床の仕上げをはじめ、玄関土間や薪ストーブ回りの石貼り、外壁の仕上げなど多岐にわたります。

リビングの床は、足触りのやわらかな無垢の杉材を採用。勾配天井の登り梁は、本数を増やし、上に向かうラインを強調させたダイナミックなデザインに。そして、大開口の建具は、ガラス戸、網戸、無双窓の3種類で構成。無双窓にしたことで、外の視線や日差しを適度にさえぎりながら通風ができて快適です。

「設計の柳澤和孝さんは、セルフビルドで石を床に貼れるようにしてくれるなど、いろいろと工夫してくれました。家具を洗面台につくり替えたい、などと相談するたびに、『おもしろそう』と一緒に考えてくれたので楽しかったです」と、夫は振り返ります。

 

土間

こちらはテレワークにも使える広い玄関土間。壁の漆喰は、原料を調合してつくったグレーカラーで塗装を。床の玄昌石も夫が施工。隅に貼った石はサイズ調整のために切ったそう。

家の引き渡しから2年近くたちますが、「住みながら仕上げたい」と、入居後も時間を見つけてはセルフビルドを続行。今では洗面室の壁を残すだけになりました。

最近ではキッチン収納に扉をつけるなど、暮らしの変化に合わせた進化も。アイデアや作業を考えるプロセスも含めて楽しんでいるそうです。

I邸はデザインと暮らしやすさの両立も魅力。設計の柳澤さんは、「勾配天井の仕上げをそろえて家に一体感を持たせました。また、自然に通風できるように開口部の配置にも工夫。水回りは、回遊できる動線も配しました」と振り返ります。

住み心地について妻は、「動きやすくて、家事や子育てがしやすいです。子どもにとっても楽しい家のようで、うれしそうに家じゅうを走り回っています」と、ほほえみます。

 

●この家のプロフィール

  • ・Iさんの家 埼玉県
    ・家族構成:夫30代 妻30代 長男1歳
    ・敷地面積:366.00㎡(110.91坪)
    ・延床面積:91.10㎡(27.61坪)
    ・設計・施工:ますいいリビングカンパニー
モルソー社製の薪ストーブ

薪ストーブはモルソー社製。「炉台や遮熱壁の石貼りも大変でした。とくに壁は高さをそろえるのが難しくて」と夫は苦笑します。

 

セルフビルドで、達成感のある家づくりを満喫

壁の漆喰塗り

壁の漆喰塗りは面積が広く、天井の近くを塗るには脚立の上で作業しないとならないので、大変なのだそう。

しかし、部屋を塗り終えるたびに達成感のほうが勝るそうで、「やっぱり、セルフビルドをしてよかった。次第にうまく塗れるようになったのも楽しかったです。この体験を生かして、これからもどんどん家に手を加えたい」と、夫の夢は広がります。

 

漆喰を塗ったのがトイレ

初めて漆喰を塗ったのがトイレ。「よく見るとコテ跡が残っています」と夫は苦笑。

 

北欧家具に洗面ボウルの洗面室

海外で見かける家具のような洗面台にひかれ、北欧家具に洗面ボウルや給排水管を取りつけてもらった、こだわりの品です。壁はこれから塗装する予定です。

 

蜜蠟ワックスを塗って仕上げた床

公園や桜並木、小川がある南側は、眺望が抜ける周辺環境を生かして、景色を楽しむ大開口を設置。床の仕上げ材は自然素材の蜜蠟ワックス。妻が主体になって仕上げたそう。
 

玄関土間で靴づくり

多目的に使える玄関土間で靴づくりも。足元に置いた靴は、夫が手づくりした作品。

 

道具類

趣味の靴づくりに使う道具類。包丁などは、使わないときはカバーをつけて棚に収納しています。