●ある習慣で、人と比べて落ち込むことが激減
すべての画像を見る(全6枚)とはいえ、SNSを開くと否応なく友人知人の近況が飛び込み、つい自分と比較したりうらやんだりすることもあったといいます。
「独身時代から、容姿や暮らしぶり、それに年収、仕事での成果などなど、あらゆることで人と比べてしまう自分がいました。そこでもう、SNSは基本的に見ないようにしたんです。見るとしても、自分の気持ちが落ち着いているときだけ、まとめて友人の近況を確認する程度に。これだけでもストレスは激減しましたね」
SNS閲覧の代わりに日課にしたのが、「よかったこと日記」。
「ある日、知人から『日記に今日一日のなかでよかったことや感謝することを書いてから寝ると、人と比べることがなくなるよ』という話を聞いて、ものは試しに始めてみたんです。すると、意外にも人の情報に振り回されなくなりました。
たぶん、今日なにがあったかを振り返るようになって、自分のことだけを考える時間が増えたからでしょうね。なにが楽しかったかな、うれしかったかな、と。おかげで最近は心穏やかに過ごせています。友達がどこそこにランチに行ったと聞いてもうらやむ気持ちがなくなり素直に『よかったね』と思えるようになり、本当に自分自身の変化を感じました」
●節約とは、穏やかな時間をつくるために欠かせないもの
いしいさんにとって節約とは、穏やかな時間をつくるために欠かせないものだといいます。
「私の場合収入が少ないと、心身をぼろぼろにしてでも働いて収入を増やそうとするんです。しかも稼いだ分はストレスで消費してしまう。でも節約をして支出を減らしたことで、無理して働く必要がなくなり、のんびりする時間ができました。最近では四季折々の自然の美しさや鳥のさえずりなどに風流を感じられるほど心にゆとりができ、『こういう穏やかな時間こそ幸せ』と実感しています」
そう話しながら、穏やかな笑みを見せるいしいさん。今年は拠点を東京から関西に移し、次のステージにすすんでいます。
●拠点を移してからは、新たな目標も
「関西へと拠点を移したのは、夫が東京で切り盛りしていたパン店を畳むことを決意し、東京に比べ物価が低い兵庫県の郊外で再スタートを切りたい、と提案されて。東京でまだまだがんばりたい気持ちがあった私は、正直、戸惑いもあったしなかなか気持ちの切り替えができませんでした。
でも、いざ引っ越しをしてからは、思っていた以上にたくさんのメリットを感じています。家賃は3万円以上も安くなり、さらにバイトで出かけるとき以外はほぼ山奥の家で過ごす生活は、物欲に惑わされる機会も激減。家賃も、東京では、家にいる時間が長い私が多めに払っていましたが、今の場所では『あなたの希望で越してきたんだから』と提案し、夫の方が多めに払うことに。夫婦別財布制ゆえに私の財布からは支出が減りました(笑)。
今は浮いた分を貯蓄に回せるようになって、心にゆとりが生まれました。現在の目標は、節約を続けながら健康も維持し、家を購入すること。これから先もいろいろな課題が出てくるかもしれませんが、節約自体、気づけば生活の一部になっていた、というくらい自然にできるようになればいいですね」
『低収入新婚夫婦の月12万円生活』では、手づくり家計簿やポーチを活用したお金管理術、簡単でおいしい節約レシピ、暑さや寒さをしのぐプチDIY術など、いしいさん夫婦の豊かに快適に暮らすための節約テクニックをたっぷりご紹介しています。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。