●介護問題は行政の担当者の当たり外れがある!?

「致し方ない事情で、ほんの一時期だけヤングケアラーだったときがあります。家族やお医者さんは協力的でしたが、担当のケアマネージャーさんに理不尽に説教をされたり、気の狂ったように何度も何度も電話をかけてこらてたりしました。ケアマネージャーさん自身はまったく協力的でもなんでもないのに、私の自由も人権もなにもないような言動を何度もされ、本当に気が滅入りました」(青森県・28歳)

ヤングケアラーになっている状態を行政につなげられたとしても、実際に担当する地域包括支援センターの担当者や病院にいるケアマネージャーの対応によっては、子どもたちがさらに苦しい思いをさせられるケースがあるようです。
この方は「行政の窓口にいるのがどのような気質の人かにもよると思いますが、あれでは続くものも続かない」と思ったそう。
「介護でもなんでも、プロに頼むのがいちばんで、互いに幸せだと思います。私は、身内であれなんであれ介護はもう2度としたくないですし、私自身も身内や知人に介護はされたくないです」

●ヤングケアラーの問題、どうしたらいいと思いますか?

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「周りに言い出せない子どもの方が多いと思う。病気の大人だけでなく、その子どもを支えるシステムも必要だと思うし。相談場所を提示してあげてほしい」(岡山県・40歳)

「子どもは無意識にいろいろな責任を抱え込んで無理してしまうので、ヤングケアラーに対してのカウンセリングやなにかしらのフォローが必要だと思います」(埼玉県・37歳)

「行政など頼ってほしいという意見もありますが、いざ頼りたいときに頼れないシステムであることがほとんどなので、『今この瞬間に助けてほしい』に手の届く支援が増えたらと思います」(岐阜県・30歳)

●見過ごされてきたヤングケアラーたちの問題

「言葉は新しいけど、状態としては昔からずっとあったことなのだと思います。これは普通ではないと分からない、分かっていても周りに言えない、どうすればいいかわからない子どもたちが主体だからこそ、問題の根が深いですよね。虐待と同じく、代々繰り返してしまうケースもあると思う。こういう事実があることを広く知って、地域の目、周りの大人の目が大切だと思う反面、実際に知ったとしてどうすればいいのか、どこに相談すればいいのか等まだまだ理解不足を感じます」(神奈川県・35歳)

ヤングケアラーの問題は、悲惨な事件や事故にも繋がりかねません。そうした事態を防ぐためには、まずヤングケアラーを早期に発見する必要がありそうです。身近な大人が支援や相談の窓口を知っておくことが重要ですね。そして、ヤングケアラーの実情にもっと寄り添った強力なサポート体制の構築が早急に整うことを願ってやみません。

 

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