アドバイス:それぞれの窓の意味と機能を把握することが重要
このような失敗を避けるには、どうすればよかったのでしょうか。一級建築士・大島健二さんが解説します。
●大島さんのアドバイス
窓には、「採光」「通風」「眺望」「視認」「出入り」といった5つの機能があるので、なんとなく窓を設けるのでなく、しっかりとした意思を持ってその形状や開き方、透け方、位置、配置を計画する必要があります。
今回の「東南側に開けたL字型の間取り」は、午前中の気持ちのいい光を家の中に取り込むことのできる、本来はとてもよいプランのはずです。しかし、南に面した部分に「トイレ・手洗いコーナー」を配置してしまっているため、気持ちのよい光が玄関横の廊下に届かず「狭く・長く」感じる結果になってしまっています。
「トイレ・手洗いコーナー」をリビングの北側に配置していたなら、廊下は単なる廊下ではなく、南に面し掃き出しの大きな窓のある快適な空間となります。キッチンの駐車場側の高窓も同様で、気持ちのよい外部空間とつながりを感じられるアメニティ性と、クルマからの荷物の積み降ろしがラクになるような機能性を兼ね備えた窓にすべきでしたね。