Case3.会話を生む、フレキシブルに使える玄関
Oさんの家 東京都 家族構成/夫40代 30代 長男10歳 長女8歳 二男6歳
設計/エキップ 撮影/水谷綾子
子どもたちが成長するこれから10年間は、家族が密に過ごす時間。そう考えたOさんは、親子のコミュニケーションが深まる家を建てました。注目したいのが、多目的に使える広い土間玄関。
大きなガラスをはめ込んだ引き違いドアが、屋外と住まいをボーダーレスにつなぎ、開感たっぷりです。「テレビを観て、くつろげる玄関にしたい。それに、早朝出勤や深夜帰宅があるので、書斎は家族に迷惑をかけない位置に」という夫の希望から、玄関には夫の書斎コーナーを設けることに。
今では、長男が上階で勉強中は、下の2人の子どもたちがジャマをしないようにと、ここでテレビやゲームを楽しむそうです。
南側の中3階に子どもたちのスタディールームをつくり、2階のLDKとオープンにつなげることで、南側からの日差しがキッチンまで届く設計に。
階段下のデッドスペースを生かしたシューズクローゼット。
土間床や書斎に敷いた人工芝で、半屋外気分を満喫。玄関ホールの間口も広くて、出入りしやすいプランに。
Case4.トップライトで家じゅう明るいエネルギーハウス
Sさんの家 宮城県 家族構成/夫40歳 妻33歳 長女5歳 二女3歳
設計/都市建築設計集団/UAPP 撮影/中村風詩人
Sさんの住まいはトップライトからの光と熱を上手にコントロールし、夏涼しく、冬暖かい快適な住環境を実現した環境共生住宅です。
周囲を家に囲まれていて、一見窓のない閉鎖的な印象ですが、光と熱を上手にコントロールし、のびやかな空間と一年じゅう快適な室内環境を両立しています。
西側の隣地が畑に使われていて開けていますが、ここにもやがて住宅が建つ予定。それを見越して壁面の開口部はご覧のとおり最小限。光はトップライトから取り入れます。
周囲を住宅に囲まれたSさんの家は壁に開口部を設けても眺望は望めず、プライバシーも保てません。そこで常に光を取り込めるトップライトを採用し、明るい室内空間を実現。
切妻屋根のトップに四角い窓を並べ家全体の採光装置としています。南端の窓は開閉でき、夏の熱気を逃がします。
周囲を閉じた家でも、屋根に窓をつくるだけで、暮らしはグンと快適になるという好例です。