Case5. 少し奥まった、隠れ家的リビング学習

リノベーション事例
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最後はリノベーションの事例を紹介してみます。大阪の密集した住宅街に建つこの住宅は、西側通路も狭く、東、南側とも隣地が迫り、採光不足でした。

 

屋根に穴をあけ、光庭をつくる

そこで、屋根の一部に2畳程の穴をあけ、光庭をとることにしました。

 

隠れ家的なスタディコーナーの平面図

その光庭のすぐ横に、4畳ほどのスタディコーナーをプランしています。

 

隠れ家的リビング学習の間取り

扉は設けず、リビングとつながっていますが、小部屋感も残っています。隠れ家的リビング学習の間取りです。

 

アップライトのピアノ

この広くはない空間に、アップライトのピアノもあります。

リビング・ダイニングからは一切見えませんから、片づいているより少し散らかっている方が、勉強できるという人には最適な間取りです。

25畳あるLDKより、この空間に家族が集まるというのが、おもしろいところです。せっかくリビング学習の間取りを考えるなら、子どもがどんな空間なら集中できるかをよく見ておくことが、いちばん重要なことだと思います。

 

本人に快適な場所に!机に向かう習慣は自然につくれる

リビング学習の目的は、机に向かう習慣をつくることだと思いますが、その場所がいちばん快適であれば、自然とそうなっていくはずです。

読み書きするなら、ソファよりは快適なイスと机がある場所の方が快適です。さらに、そこにいながら家族の気配を感じたり、ちょっとわからないことを聞いたりできるのが、リビング学習のもっともよい点だと思います。子どもは頑張っているところを見てほしいものです。

じつは、目線を上げれば庭木が見えたり、空が見えたりできれば、煮詰まってもリフレッシュできるという設計上の配慮も重要です。

「頭のよくなる家を設計して欲しい」という相談をもらったことがあります。家を形にすることで、こちらとしては答えを出したつもりです。とはいえ、それが、確実に正解かといわれると、当然保証はできません。しかしうれしいことに、ここに紹介した家に住んだ子どもたちは、希望よりワンランク上の学校に合格した、国立最難関大学を突破したという結果を出しました。

最大の要因をひとつ上げるとするなら、親が子どものことをよく見ており、よく理解していたことだった気がします。そこがわかっていれば、あとはそれを専門家と実現していくだけなのです。

 

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