普段の生活の中でも意識する機会が増えたSDGs。そんな中、注文住宅メーカー・アキュラホームが開発した「木のストロー」が世界から注目を集めています。今回は、ドラマにもなったその開発秘話をご紹介します。

住宅メーカーが「木のストロー」!?開発までの秘話とは

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ドラマ「木のストロー」で4年ぶりの共演となる堀田真由さんと鈴木保奈美さん。「わろてんか」では親子役だったが、今回は上司と部下の役柄。2月26日フジテレビ(関東ローカル)15:30~ (c)フジテレビ
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プラスチックゴミを削減するため、昨年からゴミ袋が有料になったり、ストローやテイクアウトのカトラリーが紙製になるなど、私たちの生活でもSDGs(持続可能な開発目標)を意識することが多くなってきました。

そんな中、世界から注目されているのが注文住宅メーカー・アキュラホームが世界で初めて開発した「木のストロー」です。一流ホテルのレストランや2019年のG20大阪サミットで採用され大きな話題となりました。

その完成までは反対と失敗の連続、まさに「下町ロケット」ばりのドラマのような展開なのですが、なんと本当にドラマ化されることに。

 

●一人の社員から始まった「木のストロー」開発

木のストロー開発
「木のストロー」を開発した女性社員・若木陽菜を演じる、堀田真由さん(c)フジテレビ

まず、木のストロー完成までのいきさつを簡単にご紹介します。

木のストローを開発したのはアキュラホーム広報担当の西口彩乃さん。知り合いの環境ジャーナリストに言われた「間伐材を使って木のストローがつくれないかな」という一言から、だれも見たことがない、木でできたストローをつくり始めます。

当時のことを西口さんはこう語ります。

「正直、環境問題のことはよく知りませんでした。でも、森林を守るには間伐が大切だということを知り、間伐材をストローにできたら、資材利用と廃プラの両方で持続可能な活動になると思いました。また、広報担当として、住宅以外のことで、とくに環境問題に会社が挑戦し、木のストローをつくることができたら、きっと話題になると思ったんです」

このとき出てきた木のストローのつくり方のアイデアは3つ。

1つめは、木に穴を空けてストローにする。

2つめは、鉛筆のように二つの角材に溝をつけ、かみ合わせて筒状にする。

3つ目は、薄く削った木のスライス材を筒状に巻く方法。

 

●サンプルづくりは上手くいかず、社内からも大反対

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堀田真由さん演じる若木陽菜が提案する木のストロー企画に、反対する常務の奥沢塔子(鈴木保奈美さん)(c)フジテレビ

住宅メーカーの人脈を活かし、大工さんや資材メーカーにサンプルをつくってもらいますが、うまくいきません。さらに、社内から「住宅メーカーがストローなんかつくってどうするんだ」という大反対にあい、頼りにしていた上司は転勤…。

毎日企画書を書き直し、上司に直訴を続けると、だんだん上司がうんざりしていくのを感じたと言います。

「うちはストローの会社じゃないし、ストローの企画は絶対に通らない」

そう言われた西口さんは役員への直訴を決意します。話を聞いてもらうためにあとをつけまわし、ようやく役員会議にかけてもらえることに。その結果「開発だけならOK」という条件付きの許可をもらったのです。