Case2:開くことも閉じることもできるコートハウス
すべての画像を見る(全16枚)JRの最寄り駅から徒歩5分余りに位置する敷地で、周囲を住宅やアパートに囲まれています。南側の道路に接しますが、朝夕人通りが多く、自動車も頻繁に通る環境です。
建主の要望は、1階にワンルーム形状の貸室2つと、2階にご自身と家族の住居を設けたいというものでした。
駅から近いといっても1階の賃貸アパートは、採光や防犯から不利。そのデメリットをなくすために、3世帯(賃貸2世帯と自宅)共用の中庭を提案しました。中庭があれば、1階の賃貸の部屋も光が取り入れやすくなります。くわえて、侵入者は目立ってしまうことになるため、防犯上も好ましいのです。
道路に面する中庭の南面は、格子引戸を閉めることで4方囲われた屋外空間になります。
この中庭から各世帯にアクセスし、また光を入れ、風を抜きます。普段は閉じることでプライバシーが守られ、防犯にも有効で安心感があります。
この中庭は、格子引き戸を開くと、街とつながるようなたたずまいに。町内のイベントの際には、みんなが集まるオープンな場となります。
Case3:子ども達の成長を見守る芝生の中庭
南、西道路に面する角地で、意外と自動車の通行がある場所に建つ住宅です。周囲の住宅は、大きい窓の家が多く、気をつけないと隣家との視線も気になります。
そこで、外部には閉じたプランに。この家の正面ファサードは、ライトグレーの塗壁に木製の玄関ドアという、ミニマルなデザイン。内部に中庭が広がるとは、外部から想像できません。
比較的余裕のある敷地で、この中庭と道路の間にも庭があります。ですから、道路を通行するする人と目が合うこともないので、壁にスリットを設けて視覚的変化を楽しめるような空間をつくりました。スリットから差し込む日と壁の影は、日時計のように時間の移ろいを感じさせてくれます。
計画時は2人の小さなお子さんとおなかの中の赤ちゃんがいたので、中庭を中心としたリビングダイニングを提案し、安心してのびのびこの庭で遊べるように、芝生を敷きました。
現在、3人の男の子たちはサッカーと野球に夢中。この中庭の芝生は、彼らの運動量にはかなわず、生えそろってはいません。でも、しばらくこのまま、土の見える中庭でよいと、建主夫妻は笑顔です。