Case4:坪庭のような効果的な光庭

大学や高校などが多くある文教地区の住宅街に位置している敷地面積90㎡(約27坪)の狭小住宅。南側、東側には2階建てアパートが迫り、北側全面道路の向こうには高校の校舎。西側は周囲のアパート通路というロケーションです。

図面
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2階のリビングダイニングには小さなバルコニーを併設。このバルコニーのある場所の先は吹き抜けになっていて、1階に光と風を通すことができています。

この家にはもうひとつ小さな中庭(光庭)があります。それは2階の浴室と階段室の壁に囲まれた部分。階段室と浴室に自然光が入り、つながる洗面脱衣も明るく風通しがよく快適です。

のぞかれる心配がないので、窓を開けての入浴がOK。風呂嫌いだった家族が、月や星を見ながらお風呂に入る暮らしを満喫しています。

 

1階の中庭

1階の主寝室に面して坪庭のような小さな中庭。

 

LDKから見える中庭

リビングの小さなバルコニーの下は中庭があります。

 

バスコート

中庭を設けたおかげで、朝風呂も気持ちいい開放的な浴室になりました。

 

快適な中庭プランを実現する3つのポイント

1. 中庭から周囲の建築物の開口部が見えないようする

せっかく中庭を設けても、周囲のマンションのベランダなどから見える環境では落ち着きません。コートハウスなど実績が豊富な設計事務所や工務店に相談してみてください。

 

2. 中庭に面した部屋への太陽光の入り方を確認する

次に中庭とその中庭に面するリビングなどの主室への太陽光の入り方を、一年を通じて検討することです。

中庭は必ずしも南側につくれるとは限らないですし、住む人がどのくらいの広さ、明るさ、風通しを望むかによって条件が変わってきます。

 

3. 1か所でいいので、空しか見えない高い壁や塀をつくる

周囲の環境によっても囲われる壁や塀の高さが求められるので、十分に検討して生活のイメージを持っておくことが肝要です。

そして、できれば中庭やつながるリビングダイニングに座って空を見上げたときに、少なくとも一方向には、周りの建物が見えないように、囲われる壁や塀の高さを設定することです。これによって、青空だけが望めてプライベート感が増します。

このように、プライベートな中庭(ライトコート)を計画することで、都市部の住宅においてでもプライバシーが保たれ、うるおいのある暮らしができることを知ってもらえれば幸いです。

感染症対策としても見直されているおうち時間を、楽しく豊かに過ごすためにも、中庭のあるプランを検討してはいかがでしょう。

 

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